神戸大学日欧国際ワークショップ「ヨーロッパアイデンティティの形成とその政治的意義〜ヨーロッパ統合における政治と文化の接合」

EUは、戦争からの経済復興とともに仏独間の戦争再発を防止するという、すぐれて政治的文脈のなかで進展してきた。今日の通貨危機・財政危機においても、これをいかにして克服するかという政治的意図・行動が問われている。一方、政治統合を推進する過程においては、うわべだけの技術的な統合にとどまることなく、政治的共同体の構築のために、アイデンティティをはじめとした文化的側面の凝集性を高めることの必要性も繰り返し指摘されてきており、実際EUとしても文化政策・教育政策を通じてそうした対応を推進してきている。

ここにおいてEUは、文化面では「EU文化」を掲げて統一するような手法ではなく、逆に既存の国家レベル・地方レベルでの文化の多様性を最大限担保し、そうした文化的なリベラリズムを守るところにこそEUの意義を強調してきた。では、こうした過程で生み出されてきた「EUアイデンティティ」とはいかなるもので、いかなる政治的役割を担っているのか。見方を変えれば、EU統合における政治と文化の関係はどのように理解することが適当なのだろうか。国家レベルで考えるならば、国内政治においては政治文化や文化政策、対外関係においては安全保障文化や文化外交という概念において「政治と文化の接合」が論点となる。

こうしたEU統合をめぐる「政治と文化の接合」という論点を深く掘り下げ、既存のEU研究には見られない独自のアプローチを確立していくことは極めて重要である。そのために本ワークショップでは、EUにおける「政治と文化の接合」という論点から浮かび上がる課題について、EU圏内の研究者との協働を通じて理論的かつ実証的に議論を深めていきたい。

ワークショップの概要は、1) François Foret (ブリュッセル自由大学<仏語系>) 「文化と政治の間〜EUにおける象徴的なコミュニケーション」、2) 坂井一成 (神戸大学国際文化学研究科) 「EU拡大と文化的他者との共生の模索」、3) 村尾元 (神戸大学国際文化学研究科) 「越境的テキストメッセージから見る都市の性格」、4) Juan Díez Medrano (マドリード・カルロス3世大学) 「婚姻からヨーロッパへ」の各報告に対して、青島陽子 (神戸大学国際文化学研究科) とKolja Raube (ルーヴェン大学) が各々、歴史学、国際関係論の観点からのコメントを行い、議論を展開し、全体討論へとつなげていく。

開催概要

日時
2014年3月4日(火)
場所
ブリュッセル自由大学 (仏語系) 欧州研究所
ULB - CP 172, 39 avenue F. D. Roosevelt, 1050 Bruxelles, Belgium Room “Spaak”
言語
英語
参加費
無料
参加申込
国際文化学研究科 坂井 (kazu@harbor.kobe-u. ac.jp) まで連絡をお願いします。

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プログラム

報告
  1. François Foret (ブリュッセル自由大学<仏語系>) 「文化と政治の間〜EUにおける象徴的なコミュニケーション」
  2. 坂井一成 (神戸大学国際文化学研究科) 「EU拡大と文化的他者との共生の模索」
  3. 村尾元 (神戸大学国際文化学研究科) 「越境的テキストメッセージから見る都市の性格」
  4. Juan Díez Medrano (マドリード・カルロス3世大学) 「婚姻からヨーロッパへ」
コメント
青島陽子 (神戸大学国際文化学研究科:歴史学・ロシア史)
Kolja Raube (ルーヴェン大学:国際関係論)
司会
岩本和子 (神戸大学国際文化学研究科)

(国際文化学研究科)