[海事科学研究科] 日本語タイピストの熟練度が低いのはローマ字入力が原因か?

2014年06月13日

熟練タイピストの研究をしている神戸大学海事科学研究科の嶋田博行教授と芦高勇気研究員は、日本語タイピストの熟練度が英語のタイピストと比較して低いのはひらがなを母音と子音の組み合わせに分解するローマ字入力が原因と突き止め、国際ジャーナル「Attention, Perception, & Psychophysics」オンライン版に6月2日、論文が掲載されました。嶋田教授と芦高研究員は今年2月、「熟練タイピストはキーボードの配列を記憶していない」とのタイトルの論文を同じジャーナルに掲載して話題を呼びましたが、今回のオンライン掲載に当たって、前の論文はEditor's Pick (編集者のオススメ) に選ばれています。

日本では大学生でもブラインドタッチできる人は15パーセントで、アメリカの85パーセントと大きな開きがあります。嶋田教授と芦高研究員は日本人学生のタイピング技能の習得の悪さの原因が、公式トレーニングの練習量の少なさだけでなく、ローマ字入力を使うことにあるのではと考え、少数のキーを使ったタイピングトレーニングの研究を行いました。ローマ字入力を行う場合、子音と母音の組み合わせによって、アルファベットと違って、キーの位置を一対一で覚えることができません。その結果、ひらがな表示の刺激に対して、ローマ字入力でタイプする場合、子音と母音の組み合わせによってタイピングの困難性が変わりました。たとえば「か」というひらがなを「k」と「a」と入力する場合、母音のキーは比較的容易に覚えることができましたが、子音は覚えにくいことが分かりました。また、二文字のひらがなをローマ字入力で4つのキーでタイピング入力する場合、四つ一度のタイプを覚えることが難しく、2つずつ子音と母音の組み合わせで覚えていることがわかりました。一対一の配置と一対多数の組み合わせを使うことによって、ひらがなをローマ字に分解するときに、一つのひらがなの文字とアルファベットのキーボードが一対一に対応しない条件を作ると、学習が干渉を受けて進みにくいことを捉えました。


図 日本語のひらがなのローマ字タイピングと英語のタイピングの比較

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(広報室)