シンポジウム「海賊の選択:出光佐三の企業家精神」を開催しました

2017年01月25日

1月23日(月)、出光佐三記念六甲台講堂で経済経営研究所公開シンポジウム「海賊の選択:出光佐三の企業家精神」(社会システムイノベーションセンター共催)を開催し、約230人が参加しました。

映画「海賊とよばれた男」の主人公のモデルとなった出光興産創業者の出光佐三は神戸大学の前身・神戸高等商業学校(神戸高商)の卒業生。 今回は学内で保管されている神戸高等商業学校時代の資料研究に基づき、「出光佐三の企業家精神」の源流に脚光を当てました。

開催にあたり、泉水文雄・神戸大学社会イノベーションセンター長兼教授が「今回のシンポジウムは経済経営研究所創立100周年記念事業の一環です。映画で描かれる出光佐三の源流を知っていただければと思います」とあいさつしました。

続いて、神戸フィルムオフィス代表の松下麻理氏がNHK連続テレビ小説「べっぴんさん」や映画「日本のいちばん長い日」、ダイワハウス「ここで、一緒に」シリーズ、シンポジウムの開催のきっかけとなった映画「海賊とよばれた男」など撮影秘話を交えながら、近年神戸大学でロケが行われた作品を紹介しました。

神戸大学附属図書館大学文書史料室室長補佐の野邑理栄子氏は「神戸大学史にみる出光佐三の熱き活躍」と題して、講演しました。神戸高商の第3回生として、草創期の柔道部の礎を築いた出光佐三。経験がのちの企業経営に生かされていること、また、大学への寄付や戦後のGHQによる学舎接収を防ぐなど母校の発展や救済に尽力したエピソードを紹介しました。

高崎経済大学准教授の井上真由美氏は「出光佐三の理念と神戸高等商業学校の教育」について講演。2番目の官立高等商業学校ととして、初代の水島銕也校長は商業において実務能力を有する人材の育成に重きを置き、倫理・道徳科目を設置するなど商業の社会性の重要さを説いたことを報告しました。

最後に、神戸大学経済経営研究所技術補佐員の石堂詩乃氏が「丁稚かサラリーマンか:青年・出光佐三の選択」と題して、講演。出光佐三が卒業後に大会社に就職せず、個人商店である酒井商会に入社したことは、合理的な選択であったこと、出光の在籍当時は卒業後のキャリア選択の転換期であったことを報告しました。

講演後は、神戸大学名誉教授・加護野忠男氏の司会のもと、出光佐三の企業家精神、経営学などに関するパネルディスカッションが行われました。神戸に高等商業学校が設置された経緯について、野邑氏は「大阪に設置する案がありましたが、議会で否決され、神戸に決まりました。世界と貿易するには、神戸が最適だと思われていたことが分かります」と話しました。そのほか、会場参加者からの質疑応答が行われ、出光佐三に関する議論が熱く行われました。

経済経営研究所の上東貴志所長による閉会のあいさつでは、経済経営研究所100周年記念事業や兼松記念館で同時開催の「出光佐三特別展示会」などの案内がありました。

この日は「海賊と呼ばれた男」の撮影場所となった兼松記念館の公開が行われ、また、映画「日本のいちばん長い日」の撮影に使われた同館・記念室において開催の「出光佐三特別展示会」では、卒業論文のレプリカや出光佐三に関するポスター、関連書籍を展示し、参加者は興味深く見入っていました。

当日は神戸大学が生んだ出光佐三について学び、研究所の研究への理解を深めてもらうよい機会となり、幕を閉じました。

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(総務部広報課)