シンポジウム「梶田隆章教授×武田廣学長」を開催しました

2017年03月31日

3月29日(水)、出光佐三記念六甲台講堂で経済経営研究所特別公開シンポジウム 梶田隆章教授 2015年ノーベル物理学賞受賞・2017年度JcRIC会長就任記念 「梶田隆章教授×武田廣学長」を開催し、中高生、学生、研究者ら約300人が参加しました。

梶田教授は2015年に、ニュートリノが質量をもつことを示す「ニュートリノ振動の発見」でノーベル物理学賞を受賞しました。この成果は、宇宙の成り立ちを解明する手がかりになり得ると期待されています。

あいさつする小川真人・副学長

小川真人・副学長(研究・産学連携担当理事)は「梶田教授は宇宙線のひとつであるニュートリノ研究の第一人者です。今日のシンポジムが、若い方々を始め、皆さまの研究などのお役に立つことを願います」と開会のあいさつを行いました。

開始にあたり、上東貴志・神戸大学経済経営研究所長はJcRICについて、認知度が課題であることを挙げ、「略称とロゴ、パンフレットを作成し、積極的に広報活動に取り組んでいます」と話しました。

鍔木基成・理学研究科副研究科長は「物理学者の梶田教授、武田学長に、素粒子物理学について語っていただきます。神戸(大学)から日本のビックバンを引き起こしてもらいたい」と理学研究科を代表して挨拶しました。

続いて、 武田廣・学長が「素粒子と宇宙」と題して、KAMIOKANDE建設前夜の話や恩師・小柴昌俊氏(2002年、ニュートリノ観測の成功でノーベル物理学賞を受賞)とのエピソードを明かし、「素粒子が分かれば、宇宙が理解できるはず。若いときに、世界に出て、自分の目で見ることが重要」と自身の研究者人生の教訓を踏まえて、若者へのメッセージを送りました。

梶田隆章・東京大学宇宙線研究所長は「ニュートリノの小さな質量の発見」と題して、講演。ニュートリノの現象を解析するソフトの改良を重ねたが、予測データと食い違ったことが解明の鍵になったことを紹介し、「研究者として、この頃が一番楽しかった。何かを見つけるワクワク感がありました」と振り返りました。そして、ニュートリノ質量の極端な小ささなどを挙げ、「次の世代のニュートリノ実験が計画されている」と若手研究者に期待を寄せました。

講演後は、モデレーターの藏重久弥・先端融合研究環長のもと、梶田教授と武田学長が素粒子物理学研究の意義について対談しました。対談のなかで、武田学長は「若者の研究者ポストが減っている。これでは、研究の衰退も懸念される。じっくり時間をかけて研究できる環境を整備しなければならない」と話し、梶田教授は「その危機感を声を上げていかなければ」と、研究環境整備の重要性を訴えました。

一般参加者との質疑応答では、研究者になろうと思ったきっかけ、素粒子物理学研究についての鋭い質問が多数飛び出しました。

最後は濱口伸明・経済経営研究所副所長が「素粒子物理学などの基礎研究は重要です。参加者の皆さんが興味を持ってくださることを期待します」とあいさつしました。

当日は、梶田教授、武田学長から若者にエールが送られ、素粒子物理学など基礎研究の重要性を認識する機会となりました。

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(総務部広報課)