シンポジウム「計算社会科学からの挑戦」を開催しました

2017年09月12日

9月8日(金)、経済経営研究所と先端融合研究環は、出光佐三記念六甲台講堂において公開シンポジウム「計算社会科学からの挑戦」を開催し、約120名が参加しました。

当シンポジウムでは、日本学術振興会「課題設定による先導的人文・社会科学研究推進事業・領域開拓プログラム」『リスク社会におけるメディアの発達と公共性の構造転換~ネットワーク・モデルの比較行動学に基づく理論・実証・シミュレーション分析』プロジェクトの研究成果を紹介し、今後の課題等についてディスカッションを行いました。


始めに、プロジェクトの代表者である学習院大学法学部の遠藤薫教授より、「間メディア社会における公共圏とソーシャル・キャピタル:計算社会科学からのアプローチ」と題して講演があり、プロジェクトの成果報告及び、ソーシャルメディアとフェイクニュースの問題について紹介しました。

東京大学大学院工学系研究科の鳥海不二夫准教授は、「ネットコミュニティにおけるソーシャル・キャピタル:ユーザ属性推定とそれを用いた情報伝播分析」と題して、ネット上にもソーシャル・キャピタルが存在し、それらに基づいてユーザの属性がある程度推定できることや、ある情報の伝播にどのような属性のユーザが関わったのか分析した結果を紹介しました。

電気通信大学大学院情報システム学研究科の栗原聡教授は、「ソーシャルメディアにおける情報拡散の理解と制御」と題して、情報拡散のメカニズムを影響度・感度・生活パターン等から分析し、デマ情報に対する訂正情報をいち早く拡散する方法をシミュレートした結果を紹介しました。

学習院大学法学部の数土直紀教授は、「ネットは人を保守的にさせるのか?コミュニケーションのフレームワークを考える」と題して、アンケート調査を行う際に、対面調査による場合の方がweb調査による場合よりも向社会的な回答になることを紹介し、コミュニケーションのフレームワークが変化することによって利害関係が変化し、このような違いが生じると説明しました。

北九州市立大学法学部政策科学科の秦正樹専任講師は、「東日本大震災と政治意識:存在脅威管理理論にもとづく保守化現象の検証」と題して、3.11前と後に実施された調査を傾向スコアを用いて分析した結果、被災地では非被災地に比べて政治的に保守化することが明らかになったことを紹介しました。

最後に、神戸大学経済経営研究所の上東貴志所長より、「テキスト分析による社会変動の計測」と題した講演があり、日経新聞に掲載された単語の分布変化を分析し、その変化から大きな社会変動を捉える研究を紹介しました。

講演の終了後、全ての講演者が壇上に上がり、それぞれの研究内容についてパネルディスカッションを行いました。参加者からも多くの質問が寄せられ、活発な意見交換が行われました。

(経済経営研究所、広報課)