井上邦夫教授らが、マイクロRNA関連の研究成果を発表しました

論文タイトル:
Translational inhibition by deadenylation-independent mechanisms is central to microRNA-mediated silencing in zebrafish
著者:
Yuichiro Mishima, Akira Fukao, Tomoyoshi Kishimoto, Hiroshi Sakamoto, Toshinobu Fujiwara, and Kunio Inoue
学会誌等:
Proceedings of the National Academy of Sciences誌
Published online before print January 9, 2012,
doi: 10.1073/pnas.1113350109
概要:

理学研究科の井上邦夫教授、三嶋雄一郎研究員らの研究グループは、タンパク質をコードしない小さなRNA「マイクロRNA」が遺伝子の発現を抑制するメカニズムを明らかにしました。

マイクロRNAは、脊椎動物のゲノムに存在するタンパク質遺伝子のうち30%から50%を制御している小さなRNA分子です。これまでの研究から、マイクロRNAは自身と相補的な配列を有するメッセンジャーRNAに結合し、タンパク質の発現を抑えることが知られていましたが、その抑制メカニズムの実体は明らかになっていませんでした。今回、研究グループはゼブラフィッシュの受精卵を用いて研究を行い、マイクロRNAがメッセンジャーRNAの翻訳を抑制する際には「2つの異なるメカニズム」が働いていることを明らかにしました。

本研究の成果は、動物の発生過程において遺伝子の発現が巧妙にコントロールされる仕組みの理解に繋がると考えられます。またマイクロRNAはがんを始め数々のヒト疾病の原因として近年注目されており、医療・創薬方面への波及効果も期待されます。

関連サイト:
Proceedings of the National Academy of Sciences 誌