- 日時
- 2012年10月13日 (土) 14:00~17:00
- 会場
- 神戸市役所4号館 (危機管理センター) 1階会議室
(所在地: 兵庫県神戸市中央区江戸町97-1、TEL: 078-333-0119 (消防)) - 参加について
都市安全研究センターの各研究室の在学生のほか、卒業生、自治体の都市・建築・消防関係の職員、コンサルタントのスタッフ、安全・安心に関心を持つ市民等が参加されています。
参加費は無料です。ご興味のある方は遠慮なくご参加ください。
- 司会
- 神戸大学都市安全研究センター教授 北後明彦
- お問い合わせ先
- 神戸大学都市安全研究センター
(所在地: 兵庫県神戸市灘区六甲台町1-1、TEL: 078-803-6437、FAX: 078-803-6394) - プログラム
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気仙沼市における震災対応とその検証について
秋元 康男 (三菱UFJリサーチ&コンサルティング 研究員)平成23年3月11に発生した東日本大震災は、東北の沿岸地域を中心に未曾有の被害をもたらしました。
東北の各自治体では、発災直後は、情報通信の遮断やライフラインの寸断等により、困難な災害対応を余儀なくされましたが、全国からの多くの支援も得ながら、応急・復旧に取り組みました。
今回のセミナーでは、被災の大きかった市町村の中から、宮城県気仙沼市を取り上げ、一連の災害対応の実態から、課題や教訓を整理・報告するとともに、今後、気仙沼市あるいは同様の大規模災害が生じると想定されている地域において、災害対応力強化に向けた取り組みを検討する際の参考となる視点などをお話します。
感染症を捉え直す。21世紀のパラダイムシフト
岩田 健太郎 (神戸大学都市安全研究センター 教授)世界三大感染症というものがあります。みなさんは、なにかごぞんじですか?
これは、結核、マラリア、エイズです。それぞれ毎年世界で100万人以上の命を奪ってきた恐ろしい感染症です。WHO、つまり世界保健機関や、ゲイツ財団などはこれら3つの感染症対策に必死に取り組んできました。そのかいあって、例えばマラリアの死者数は近年激減しており、対策の効果がでてきています。
ところが、この三大感染症以外にも毎年100万人以上の規模で人の命を奪っている感染症が存在することが分かって来ました。それはいったいなんでしょう。
それは、呼吸器感染症と下痢原性感染症です。簡単に言えば、肺炎と胃腸炎です。
肺炎と胃腸炎なんてよくある病気、もう簡単に治せるものだと思っていませんか?残念ながら、途上国を中心に、そして小さな子供を中心に、たくさんの命が肺炎と胃腸炎で奪われています。
さて、古典的な三大感染症、結核、マラリア、エイズと、肺炎・胃腸炎との違いは何でしょうか。
それは、微生物と感染症の1対1関係です。前者は結核菌、マラリア原虫、HIVが原因です。病気と微生物が1対1関係にあり、結核菌=結核とほとんど同義に扱っても問題にないような錯覚すら覚えます。
ところが、肺炎や胃腸炎の原因微生物は千差万別。抗生物質が効くものから効かないものまでたくさんあります。いや、それどころか、そもそも感染症が原因でない肺炎や胃腸炎すらあるのです。もちろん、こういうときは抗生物質は効きません。
微生物と相応する感染症の1対1関係がだんだん崩れています。かつてのように、微生物学者が微生物を研究することが、直接感染症対策、感染症治療に結びつきにくい時代です。では、我々は21世紀の感染症にどう対峙したらよいのでしょうか。それが今回のお話の主題になります。
2012年10月13日
(都市安全研究センター)