神戸大学

第177回 都市安全研究センター (RCUSS) オープンゼミナール

2013年11月16日

都市安全研究センター (RCUSS) オープンゼミナールは、広く社会に都市安全研究センターの活動を広く公開するとともに、関連する各分野の皆様からの報告を通じて、安全な社会としていくための研究や実践のあり方を議論しています。大学の教職員・学生のほか、安全・安心に関心を持つ市民の方々や、コンサルタントなどの民間企業の方々、自治体の消防・建築・地域関係の職員の皆様などが参加されています。

参加費は無料で、事前登録不要です。ご興味のある方は遠慮なくご参加ください。

開催概要

日時
2013年11月16日(土) 14:00~17:00
会場
神戸市役所4号館 (危機管理センター) 1階会議室
(所在地: 兵庫県神戸市中央区江戸町97-1、TEL: 078-322-5740)
司会
神戸大学都市安全研究センター教授 北後明彦
お問い合わせ先
神戸大学都市安全研究センター
(所在地: 兵庫県神戸市灘区六甲台町1-1、TEL: 078-803-6437、FAX: 078-803-6394)
詳細情報
神戸大学都市安全研究センター RCUSSオープンゼミナール
プログラム
  1. 119番等災害通報時における指令 (救急) 管制員の業務の分析とその心理学的アプローチ
    山本 信一 消防防災ソリューションズ

    119番通報される市民は、一般に火災等の災害発生という緊迫した状況下では、パニック的混乱に陥りがちであり、その中で消防の指令管制員は、災害発生場所、災害内容等を正確に受信して、瞬時に、災害内容に応じた消防隊の編成を決定して、火災等災害を、最小に鎮圧できる最適の消防隊を出場させている。指令管制員は、119番等災害通報の受信時に、発生場所、災害内容等を正確に把握し、より多くの情報を通報者から聴取しなかればならず、その上1秒も無駄にできない迅速性が要求される。

    そこで、まず最初に、火災等の災害発生時における指令管制員の業務の分析を行い、指令管制員がどう災害に対応していっているのかを述べ、次に、指令管制員と通報者の心理的な関わりについて考察を加える。まとめとして、「119番等災害通報時における指令(救急)管制員の業務の分析とその心理学的アプローチ」を試みることにより、災害からの被害を軽減するのは、ハード的要素だけではなく、運用していく人間そのものの対応能力の向上やソフトの学問である心理学、社会学の援用が重要であることを示す予定である。

  2. ファーストレスポンダー体制の制度設計とその効果
    久保田 勝明 消防庁消防研究センター・神戸大学大学院工学研究科客員准教授

    救急業務における新たな取り組みとして、一般住民による救急活動を紹介する。一般住民による救急活動というと、バイスタンダー (bystander、救急現場に居合わせることになる同伴者、発見者等) への応急手当講習の推進等を思い浮かべるところであるが、今回紹介するのは、119番通報を受けた消防本部からの情報提供により、近隣住民が傷病者のもとへ出場すると言う新たな体制である。この体制を、昨年の11月より石川県でスタートした。このスタートまでの道のりと、制度設計等について紹介する。

(都市安全研究センター)