神戸大学

第178回 都市安全研究センター (RCUSS) オープンゼミナール

2013年12月14日

都市安全研究センター (RCUSS) オープンゼミナールは、広く社会に都市安全研究センターの活動を広く公開するとともに、関連する各分野の皆様からの報告を通じて、安全な社会としていくための研究や実践のあり方を議論しています。大学の教職員・学生のほか、安全・安心に関心を持つ市民の方々や、コンサルタントなどの民間企業の方々、自治体の消防・建築・地域関係の職員の皆様などが参加されています。

参加費は無料で、事前登録不要です。ご興味のある方は遠慮なくご参加ください。

開催概要

日時
2013年12月14日(土) 13:00~16:00
会場
神戸市役所4号館 (危機管理センター) 1階会議室
(所在地: 兵庫県神戸市中央区江戸町97-1、TEL: 078-322-5740)
司会
神戸大学都市安全研究センター教授 北後明彦
お問い合わせ先
神戸大学都市安全研究センター
(所在地: 兵庫県神戸市灘区六甲台町1-1、TEL: 078-803-6437、FAX: 078-803-6394)
詳細情報
神戸大学都市安全研究センター RCUSSオープンゼミナール
プログラム
  1. 兵庫県佐用町の災害復興計画「きらめきプラン」について
    室崎益輝 (兵庫県立大学特任教授・神戸大学名誉教授)

    1938年の阪神大水害や1961年の伊勢湾台風などの大規模な風水害はともかくとして、被害の比較的小規模な水害では、原型復旧的な防災工事主体の復興がはかられることが一般的で、未来社会を見据えた総合的な復興がはかられることは、珍しい。その中にあって、2009年の台風9号後の佐用町では、災害の規模の如何にかかわらず、それが投げかけた課題に応えるという視点から「総合性を持った復興計画」をまとめあげ、その具体化に取り組んでいる。この佐用町の実践は、今日の集中豪雨が多発する時代にあって、水害後の復興のあり方を考えるうえで、参考にすべき点が少なくない。そこで、佐用町の災害復興計画の経緯と内容と実践を紹介しつつ、そこから学ぶべき点を提示することにしたい。

  2. 東日本大震災3年目 三陸沿岸の地域での内発的まちづくり ―防災に強い基盤づくりと生活再建の狭間で―
    宮定 章 (地域復興支援 ワンストップサービス石巻センター (まち・コミュニケーション代表理事))

    現在三陸沿岸では、高台移転 (防災集団移転促進事業) による防災に強い基盤づくりと、被災者の生活再建が同時並行に行われている。東日本大震災から3年目を迎えようとする現状を報告する。石巻市雄勝町では、浸水域はほぼ全て災害危険区域に指定され、仮に高台移転事業が順調に進んだとして震災前の人口の36%である。復興事業が進む中、震災前から人口減少に苦しんできた三陸沿岸の被災者は、これからどのような暮らし方で、地区を作っていくか懸念をかかえている。

    東日本大震災の今の事例を通じて、18年目の阪神・淡路大震災の“復興”についても共に考えられる場としたい。

(都市安全研究センター)