東日本大震災が発生した2011年3月より、震災によって失われた被災地の町並みを模型で復元することに取り組む“「失われた街」模型復元プロジェクト” (全国複数の建築系研究室が参加) では建築を学ぶ学生たちの手によって制作された真っ白な模型を媒介に、現地でワークショップを重ね、そこに暮らす人々がかつての街への愛着と地域のつながりを取り戻していく過程を丁寧に記録して参りました。
住民のみなさんの思い出と色が積み重ねられた「模型」は、人々の「記憶の風化」を防ぐとともに、被災地の方々の“記憶の復興”の機会を提供させていただくことを目的に、震災から3年の節目を迎える平成26年3月、盛岡アイーナを会場にこれまで制作した岩手県沿岸各地の「模型」を一堂に会した『特別展』を開催し、16日間で来場者数14,180人を数え、大きな反響を得ました。NHK盛岡放送局と当実行委員会で取り組んだ、この『シリーズ「ふるさとの記憶」プロジェクト』は、6月に第40回放送文化基金賞および第51回ギャラクシー賞を受賞しました。本年は継続活動としてNHK仙台放送局との協力により、「ふるさとの記憶 みやぎシリーズ」(気仙沼、南三陸、女川、石巻、仙台、閖上港、山元町を予定) を実施中です。
本企画ではこれまでに制作された「記憶の模型」 (陸前高田・南三陸・気仙沼 内湾) の実物を、プロジェクトや被災地の現況を示す写真等のパネルとともに展示し、阪神淡路大震災から20年を迎えようとする神戸において幅広く見ていただき、被災地の再生についてあらためて考え、感じていただく機会を設けることを目的としています。
開催概要
- 会期
- 平成26年9月9日(火) ~ 9月21日(日) [13日間]
※9月16日(火)休館 - 会場
- 阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター 西館1Fロビー (無料ゾーン)
(〒651-0073 兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-5-2) - 開館時間
- 9:30~18:00 (入館17:00まで), 金・土曜日は9:30~19:00 (入館18:00まで)
- 共催
- 「失われた街」模型復元プロジェクト実行委員会、阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター、神戸大学
- 監修
- 神戸大学大学院工学研究科 槻橋研究室
- 協力
- 一般社団法人アーキエイド
- 模型制作
- 神戸大学槻橋研究室、神戸大学近藤研究室、東北工業大学学生有志団体colors
- 展示内容
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- 震災前の岩手県・宮城県沿岸部の再現模型、WSパネル等を展示
- 陸前高田 [4m×5m]、志津川 [3m×4m]、気仙沼-内湾 [2m×1m] の模型を展示
- 住民とのWSで彩られた模型上には、ふるさとの思い出を記した数千本の「記憶の旗」が立てられています。
- 入場料
- 本展の観覧無料 (人と防災未来センター展示ゾーンの観覧には入館料が必要です。)
- 記念トーク
- 「まちの記憶と再生」 日時: 9月14日(日) 15:00〜17:00[無料]
- 会場
- 阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター 西館1F ガイダンスルーム (無料ゾーン)
- 出演
- 槻橋 修 (神戸大学准教授、本プロジェクト代表)
久野 紀光 (名古屋市立大学准教授、本プロジェクト協同者)
福屋 粧子 (東北工業大学講師、本プロジェクト協同者) - コメンテーター
- 室﨑 益輝 (神戸大学名誉教授)
- 問合わせ
- 「失われた街」模型復元プロジェクト実行委員会事務局
TEL: (078)803-6434 (神戸大学槻橋研究室内)
「失われた街」模型復元プロジェクト ウェブサイト - 関連行事
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- 「“ふるさとの記憶” ―失われた街 模型復元プロジェクト展 一関展」
会期: 2014年7月26日〜8月10日
会場: なのはなプラザ (一関市) - 2014年度 日本建築学会大会 (近畿)
会期: 2014年9月12日(金)〜14日(日)
会場: 神戸大学国際文化学部
- 「“ふるさとの記憶” ―失われた街 模型復元プロジェクト展 一関展」
- 備考
- 2013年度に放送・展示されたシリーズ「ふるさとの記憶」が第40回放送文化基金賞 (個人・グループ部門 放送文化) および、放送批評懇談会第51回ギャラクシー賞・報道活動部門選奨に入賞。