神戸大学

駐日ベルギー大使が神戸大学を訪問しました

2009年07月15日

ベルギー王国のヨハン・マリクー駐日特命全権大使が7月9日、経済学部で講演するため、神戸大学を訪問しました。

駐日ベルギー大使が神戸大学を訪問しました

同大使は「EUは、アジアにおける地域統合に対するモデルとなりうるか?」と題する講演のなかで、アジアにおいて議論が進みつつある地域統合とEU統合は次の点で大きな相違点があることを説明しました。(1) 各国法より優越するEU法の存在 (2) EU法採択における多数決制の導入 (3) 重要性を増しつつある欧州議会 (4) 各国から独立した欧州委員会の役割 (5) 欧州委員会が有するEU法の提案権―などです。こうした説明の後、同大使は、もしアジアが一層の統合を望むならば、各国が有する主権の一部でも移譲することから始める必要がある点を強調しました。

駐日ベルギー大使が神戸大学を訪問しました

講演に先立ち同大使は、福田秀樹学長と中村千春副学長・国際交流担当理事を表敬訪問しました。会談のなかで福田学長は、ベルギーと日本は密接な関係を有していること、神戸大学は欧州の中心部に位置する同国の大学との関係を強化したいと念じていることを説明しました。さらに、同大使がゲント大学のご出身であることから、ゲントの聖バーフ大聖堂や、ファン・アイク兄弟によって描かれ15世紀フランドル絵画の傑作とされる「神秘の仔羊」についても話題が及びました。

(経済学研究科教授・久保広正)