神戸大学

「安全保障貿易管理に関する研修会」を開催しました

2010年02月19日

ひょうご神戸産学学官アライアンスは2月10日、神戸大学瀧川記念学術交流会館大会議室で、教職員が安心して国際的な教育・研究や産学連携を行うための注意点について理解を深めていただくことを目的として、「大学に求められる安全保障貿易管理に関する研修会」を開催しました。約60名の参加がありました。

背景としては、次のことがあります。多くの大学にて国際交流の気運が高まり、 国際的学術交流や国際的産学連携が活発化しています。このことは同時に、大学の研究成果が安全保障上の危険性を意識しない形で国外に持ち出され、大量破壊兵器に応用される危険性を伴っています。平成21年には外国為替及び外国貿易法 (略して外為法と呼ばれ、貨物や技術情報の輸出を規制) の改正で規制強化がされています。

研修会風景

講師には、経済産業省の安全保障貿易管理課の第一線で活躍された経歴を持つこの面で第一人者の森本正崇 (もりもと まさみつ) 輸出管理アドバイザー (財団法人安全保障貿易情報センター) を招聘しました。

講演では、安全保障輸出管理制度の概要として、外為法の貨物と技術の輸出管理のレジーム、管理の対象と基本的な管理フローを判りやすく説明しました。特に大学を対象として、兵器に直結しそうな貨物や技術をリストに載せた規制 (リスト規制) の該非判定、用途や需用者の規制 (キャッチオール規制) のチェックの考え方を詳しく説明しました。貨物または技術情報が国境を越えることが輸出ですから、国際共同研究での実験装置やデータの国外持ち出しは輸出となります。このため、大学は輸出者に相当し「輸出者等遵守基準」の義務化の対象として輸出管理体制の整備が必要となるとのことです。

最後にリスク管理の側面からと題して、私見とは断りつつ、単に外為法を守るだけではなく、倫理面、R&D・学問の自由と責任の調和をはかりつつ、不必要な管理を排除した「必要な管理の明確化」による実効ある無理なく持続する管理体制が望ましいと述べました。

アンケート結果によると75%以上の方が、よく理解できた・理解できたと回答しています。「大学とは無縁と思っていたが、大学に輸出管理が必要なことが理解できた」といったコメントが多く寄せられました。

(連携推進課)