神戸大学

「たつの市町史」の完成シンポジウムを開催しました

2010年03月10日

たつの市町史第一次完成記念シンポジウム「たつの地域の特性<地形・気候・文化>から歴史をさぐる」が2月28日、兵庫県たつの市立新宮公民館で開催されました。2009年10月に『播磨新宮町史 近現代編』が刊行され、町史編纂事業にひとまず区切りがついたのを記念し、たつの市教育委員会と人文学研究科地域連携センターが共催しました。

「たつの市町史」の完成シンポジウム

シンポジウムは最初に奥村弘・地域連携推進室室長による基調講演「地域をささえる歴史文化―市町史をあしがかりに」があり、続いて奥村室長をコーディネーターとしてパネルディスカッションが行われました。パネリストとして梅村忠男氏 (元新宮町長)、前田宗男氏 (元新宮町史資料収集委員)、さらに町史執筆において各時代の部会長を務めた坂江渉氏 (古代史・地域連携センター)、市澤哲氏 (中世史・同)、大国正美氏 (近世史・神戸深江生活文化史料館長)、町史編纂事務局を務めた義則敏彦氏 (たつの市教育委員会文化財課副主幹) のほか河野未央が参加しました。

奥村氏は講演で、粘り強い地域史研究の伝統のうえに成り立つなどの播磨新宮町史の特徴について触れ、さらに新たな地域歴史文化形成に向けた町民-自治体-大学の三者による持続的な歴史文化事業の重要性を訴えました。またパネルディスカッションでは、新宮町史編纂時の状況、新たな研究成果などが披露されました。河野は、継続事業として行われている神戸大学近世地域史研究会の取り組みを紹介しました。

シンポジウムには200余名が参加。会場には、「なつかし写真展『伝えたい 新宮の歴史』」と題するパネル展示のほか、たつの市域の各歴史研究団体、地域連携センター、歴史資料ネットワークの活動紹介パネルが展示されました。

シンポジウム翌日には、西田正則たつの市長と奥村室長らとの懇談会が開かれ、今後も、たつの市内の歴史遺産を保全・活用していくため、行政・市民・大学の連携を深めていくことを確認しました。

(人文学地域連携センター研究員・河野未央)