神戸大学

学生支援GP終了後を考える連続シンポジウム第1回を開催しました

2011年06月03日

学生支援GP終了後を考える連続シンポジウム

去る2011年5月21日、瀧川記念学術交流会館2階会議室にて、標記のシンポジウムを開催しました。

文部科学省「新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム (学生支援GP)」に採択された神戸大学の事業「地域に根差し人に学ぶ共生的人間力―震災の記憶の伝承と組織的体制の構築による学生活動支援―」が2011年度を以て終了します。神戸大学に連綿と積み重ねられてきた学生ボランティア活動の実績を、今後どう継承し発展させていくのかを議論するための連続公開シンポジウムの初回です。

まず、本GP事業推進責任者である都市安全研究センター長の田中泰雄教授から開会挨拶がありました。そして、学生ボランティア支援室の藤室玲治研究員が、本GPのこれまで3年間の取り組みについて報告するとともに、なぜ学生ボランティア活動支援と正課授業の連携が必要なのか、学生ボランティア支援室としてどのような連携が可能かという問題提起を行いました。

続いて、学生ボランティア活動の長い歴史を誇る明治学院大学の教養教育センターよりお招きした猪瀬浩平准教授に講演していただきました。猪瀬氏は、大学共通科目「ボランティア実習101」の中で、「Go West」というユニークなプログラムを組んでいます。演題は「Go West:大学におけるある異交通の試み」。見沼田んぼ福祉農園 (埼玉)、郡上八幡、釜ヶ崎 (大阪) というフィールドを学生が訪問し、普段は出会う機会がない人々と交流した後、そこで学んだことを現地の人々に向けて表現するという実践の内容が紹介されました。猪瀬氏は「ボランティア」とは「自治」であると学生に伝えているそうです。学生ボランティア支援室の今後を考える上で大いに参考になる講演でした。

学生支援GP終了後を考える連続シンポジウム

次に、人間発達環境学研究科の松岡広路教授に「神戸大学におけるESD (Education for Sustainable Development) プログラムの展開」という題で講演していただきました。「ボランティア」には「エンパワメント」と「マイノリティ」というふたつの側面が必要不可欠であり、そらがESD実践の原理的基盤でありながらも、大学の正課授業にボランティア活動を組み込むことは、そう簡単なことではないという、鋭い指摘がなされました。

休憩時間を挟んで、上記発言者に加えて、コメンテーターとして神戸大学国際文化学研究科の岡田浩樹教授と農学研究科地域連携センターの内平隆之研究員に登壇していただき、パネルディスカションを行いました。「『ボランティア』の中にいかに多様性を作り出すか」「大学のシステムや専門性にどのように適合するのか」「消極的な学生にどうアプローチするのか」など、数多くの論点が飛び出し、さらにフロアからの発言を得ると、大学の役割とは何かというところにまで議論が及びました。最後に次回テーマを紹介して、4時間の長丁場を終えました。

参加者は、本学や他大学の教職員や学生など、合計27名。遠くは群馬県から駆け付けて来られた方もおられました。「授業との兼ね合いをどうするかというような安直な話題ではないことを実感した」「改めて入口教育、気付き教育のみつめ直しが必要だと思いました」「ボランタリズムの位置づけなど、もっとあいまいに扱ってもよい気もする」などの感想や、神戸大学に情報発信やリーダーシップを期待する意見をいただきました。

次回「神戸大学と地域社会 (仮)」は7月最後の週末に学内で行う予定です。詳細は決定次第お知らせしますが、お問い合わせの際は下記までご連絡ください。

神戸大学 都市安全研究センター 学生ボランティア支援室
〒657-8501神戸市灘区鶴甲1-2-1
Tel: 078-803-6256
E-mail: svs@port.kobe-u. ac.jp

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(学生ボランティア支援室)