神戸大学

東日本大震災からの復興をめぐり公開シンポジウムを開催しました

2011年08月05日

大震災に見舞われた被災者の救済と被災地の復興を願い、神戸大学は8月3日、公開シンポジウム「東日本大震災からの復興に向けて―神戸にできること―」を、神戸・ポートアイランドの神戸国際会議場で開きました。一般市民のほか、行政関係者や研究者ら約470人が参加。被災地の現状や復興策をめぐる講演とパネルディスカッションに、熱心に耳を傾けました。

東日本大震災からの復興をめぐり公開シンポジウム

神戸大学は1995年の阪神・淡路大震災で大きな被害を受け、東北地方を初めとする全国の方から温かいご支援をいただきました。これを機に「都市安全研究センター」や「震災文庫」を設けるなどして、安全・安心な社会の構築を目指した研究に全学で取り組んでいます。東日本大震災からの復興にあたり、こうした研究の成果を少しでも役立ててもらおうと、「東日本大震災からの復興に向けた神戸大学からの提言 (第一次)」(PDF形式)をまとめて東日本大震災復興構想会議に提出するとともに、「提言」をもとにしたシンポジウムを企画したのです。

シンポジウムではまず福田秀樹学長が、「提言」に込めた神戸大学人の思いに触れながら概要を説明しました。次いで、本学名誉教授でもある五百旗頭真・復興構想会議議長が「東日本大震災と復興構想」をテーマに基調講演。阪神大震災でのご自身の被災体験を交えながら、「減災」という概念がその震災を機に生まれたこと、「復旧」ではなく「創造的復興」が重要であることなどを強調しました。

東日本大震災からの復興をめぐり公開シンポジウム

続いて、井上明久・東北大学総長、室崎益輝・関西学院大学教授 (神戸大名誉教授) が2人に加わり、田中泰雄・神戸大学都市安全研究センター長の司会でパネルディスカッションに移りました。井上総長は、東北大学が大きな被害を受けながらも、復興のための研究組織を次々と立ち上げていることを紹介。室崎教授は、被災自治体への人的支援の緊急性などを訴えました。

シンポジウムの開会に先立ち、会場では参加者全員が黙とうし、大震災の犠牲者を悼みました。またホール入り口に義援金箱を置き、参加者から温かい支援をいただきました。

休憩時間には神戸大学学生ボランティア支援室が、大学派遣のバスによる学生の被災地支援活動を報告。ホールロビーのパネル展示でも、学生のボランティア活動を紹介しました。

(広報室)

写真集