神戸大学

国公立大学フォーラムを開催しました

2011年12月14日

平成23年度特別研究プロジェクト・国公立大学フォーラム「地域歴史文化の育成支援拠点としての国公立大学 ―地域歴史遺産の保全・活用と防災―」が、12月11日、神戸大学瀧川記念学術交流会館で開催されました。

人文学研究科主催のこの行事は、同研究科が文部科学省の採択を受けて取り組む特別研究プロジェクト「地域歴史遺産保全活用教育研究を基軸とした地域歴史文化育成支援拠点の整備」事業 (平成22~24年度) の一環として行われました。

中村千春地域連携担当理事副学長と鈴木義和人文学研究科副科長の開会挨拶、所管官庁の文部科学省の田頭吉一高等教育局国立大学法人支援課課長補佐の挨拶の後、まず奥村弘地域連携推進室長と坂江渉人文学研究科特命准教授が、「地域歴史文化の育成支援拠点としての国立大学 ―神戸大学の取組―」と題して報告。奥村室長は、危機に瀕した地域歴史文化を次世代に引き継ぐため、各地の国公立大学が共同してその拠点になるべきこと、また相互の情報交換ための「地域文化大学連絡会」(仮称) の設立を呼びかけました。

またその後、青木歳幸佐賀大学地域学歴史文化研究センター副センター長、曲田浩和日本福祉大学経済学教授、平川新東北大学東北アジア研究センター教授、矢田俊文新潟大学人文学部教授、塚田孝大阪市立大学文学部教授が、歴史文化の育成・支援をめぐる各大学の取組を報告、さらに各報告に対し朝賀浩文化庁文化財部美術学芸課文化財管理指導官がコメントをおこないました。

討論では、日頃から地域文化を守るための大学と地域の方々との「信頼関係」の構築の重要性、地域にある「博物館」と大学との連携やその支援のあり方、あるいは防災のために大学が果たすべき役割などについて、活発な議論がおこなわれました。また神戸大学の奥村弘室長が提起した「地域文化大学連絡会」(仮称) の設置が全会一致で承認されました。

当日回収した感想用紙には、「良い取り組みであった。さらに継続が必要だろう」「歴史文化の保全・活用の視点について実例をまじえた多角的な発表は新鮮であり、今後の方向性を考える上で有意義なものだった」などのほか、「大学の研究目的で地域にかかわる連携と、被災地または消滅しつつある地域の資料の保存・活用する目的で地域にかかわる連携とのスタンスの差が興味深かった」「国からの財政確保など、大きな流れを作る必要がある」などの意見も寄せられ、今後の方向性をめぐり意義のある会となりました。

当日の参加者は、各地の大学関係者 (22大学) のほか、県内外の自治体・大学関係者や市民など、合わせて59機関70名。また本フォーラムは、兵庫県教育委員会の後援を受けました。

(人文学研究科)