神戸大学

歴史文化をめぐる地域連携協議会を開催しました

2012年02月01日

第10回歴史文化をめぐる地域連携協議会が、「地域歴史文化の形成と災害資料 ―認識すること・記録すること・伝えることの意味を考える―」というテーマで、1月29日、神戸大学文学部 (B棟331教室) で開催されました。

人文学研究科主催のこの行事は、同研究科内の地域連携センターの1年間の活動を集約する目的で開かれています。今年は災害に関する資料が、地域社会に対する人々の認識とどのように関わり、また地域歴史文化の形成に如何に資するかを議論する目的でおこなわれました。

中村千春地域連携担当理事副学長と釜谷武志人文学研究科長の開会挨拶、奥村弘事業責任者 (地域連携推進室長) と板垣貴志特命助教とによる開催主旨の説明のあと、まず人と防災未来センター震災資料専門員の兒玉州平氏が、「災害展示の方法を考える ―人と防災未来センター資料室の取り組みから―」と題して報告。ついで午後から、兵庫県立図書館長補佐の宮本博氏が「地域歴史文化の形成拠点としての図書館 ―災害資料を伝える―」、人と防災未来センター震災資料専門員の高森順子氏が、「手記集を介したコミュニティ」、伊丹市立博物館館長の小長谷正治氏と同震災資料調査員の水本有香氏が、「博物館と災害資料」という報告をおこないました。またこれを受け、(尼崎市) 水堂須佐男神社宮司の上村武男氏が、それぞれの報告に対するコメントを述べました。

討論では、災害資料を地域資料として扱うことに対して市民からどのような反応があったのか、災害資料を地域資料として扱い活用していく際の「選別基準」をどう設定するかなどの点について質疑がおこなわれたほか、全体的感想として、図書館活動の今後に向けて大変参考となる協議会だった、災害資料のもつ多義性から、今後をそれをどう包括し、共通の研究対象としていくことが今後の大きな課題となる、などの意見がだされました。

当日の参加者は、兵庫県内の自治体・大学関係者や住民団体の代表者、さらには東北の被災地を含む県外の関係者など38機関67名。参加者の皆様は、休憩時間、センターがあらかじめ用意した「交流コーナー」において、成果の発表やパネル展示などをおこなうなど、相互の親睦と交流を深めました。

なお本協議会は、兵庫県教育委員会、兵庫県図書館協会、人と防災未来センター、伊丹市教育委員会の後援を受けて開かれました。

(人文学研究科)