神戸大学

経営学研究科の黄教授がブリュッセルオフィスでワークショップを開催しました

2012年02月20日

2012年2月2日 (木) の午後 に経営学研究科の黄 燐(こうりん)教授がブリュッセルオフィスで「欧州危機の実態と実体経済への影響」をテーマとしたワークショップを開催いたしました。冒頭で、黄教授は、ギリシャを発端に起こった信用危機と財政危機はEU圏への広がりが見せているが、その影響は欧州に限らずアジア経済への影響も避けられないものであることを強調し、欧州危機を長期的な視点から分析し、貿易や直接投資など実体経済への影響を展望することがこのワークショップの主旨であると説明しました。

引き続いて、Copenhagen Business SchoolのVerner Worm教授は、「EU, the financial Crisis and Beyond」を題として講演しました。亜州研究センター (Asia Research Center) を創設し、中国ビジネスと経済発展の専門家であるWorm教授は、講演の中で、欧州議会において27のメンバー国が23の公式言語から使用する言語を選択できることを例に、EU圏の多様性を説明しました。また、第二次世界大戦後の1947年にギリシャで起こった経済危機と比較しながら、今回の欧州危機の深刻さ、そして、金融危機 (a financial crisis) だけでなく長い時間をかけて構築されてきた欧州福祉モデルの危機 (a crisis of the welfare model) であることを強調されました。

約2時間の講演の後に、中国のコーポレートガバナンスに詳しい和歌山大学の李 東浩教授もパネラーに入って、欧州危機のアジア経済、とくに日本企業と中国企業のEU圏への投資に対する影響について議論がなされました。

最後に黄教授は、今回のワークショップが神戸大学ブリュッセルオフィスを活用して欧州との共同研究や情報発信の第一歩にすぎないことを強調し、今後欧州でのジェトロ事務所などと連携して欧州に進出している日中韓企業に関する共同研究や日本企業向けのビジネスセミナー開催などの企画を提案しました。

(経営学研究科)