神戸大学

神戸市消防局と神戸大学自然科学系先端融合研究環都市安全研究センター及び神戸大学研究基盤センターが災害に関する協定と覚書を締結

2012年04月03日

3月28日、神戸市消防局と神戸大学自然科学系先端融合研究環都市安全研究センター及び神戸大学研究基盤センターは、災害に関する協定と覚書の締結を行いました。この協定等の締結により、消防局と都市安全研究センター及び研究基盤センターが連携して被害の軽減を図り、また、共同研究や市民向けの講習会の共催など、今後、組織的な協力関係の構築を目指していきます。

締結式には、村上神戸市消防局消防長、田中都市安全研究センター長、芦田研究基盤センター長等が出席し、協定及び覚書にサインを行ったのち、締結に至るこれまでの経緯及び今後の取組について説明が行われました。

村上神戸市消防局消防長

東日本大震災時の様々な教訓や被災地住民の避難行動などを参考に、津波地震発生時に神戸市沿岸部の住民の避 難が円滑に行われるよう、あるべきシステムを研究し、神戸市地域防災計画で「避難」を担当する消防局の実務資料とするほか、防災福祉コミュニティの作成す る地域津波防災計画に生かしていく予定である。今後も神戸大学の2つのセンターとの連携を深めることで、市民の安全・安心に繋げていきたい。

田中都市安全研究センター長

東日本大震災においては、津波に対する避難行動の良否によって多くの人命が左右された。東日本大震災の教訓を元に、来るべき東南海・南海地震での津波災害に対し、適切な避難を促し、津波による人の命を救う研究を共同で行っていく必要がある。

また、東日本大震災では原発事故の複合災害が問題であり、目に見えない放射線等からの避難についても、共同で研究を行っていくことが重要である。

芦田研究基盤センター長

これまでに、東日本大震災に伴って生じた福島第一原発災害の時に出動した神戸市消防局に対する放射線作業についての助言や専門家の派遣など、実質的な連携協力を行ってきたが、この度覚書を締結することで更なる連携を深める共に、放射性物質に関する特殊災害が生じた際には、人的(知的)・物的な協力として、専門知識を活用した助言や測定機器の貸与、放射性物質の分析を行う予定である。また、平常時には消防局職員に対して放射性物質に関する知識向上に向けた研修を通じて消防局員の技能向上に協力していく。

(研究推進課)