神戸大学

神戸大学と理化学研究所計算科学研究機構が、計算科学・計算機科学分野における連携協定を締結

2012年05月21日

神戸大学と理化学研究所計算科学研究機構は、5月15日に神戸市内のホテルで計算科学・計算機科学分野における連携協定調印式を行いました。

この協定の締結により、両機関の連携が一層強化され、計算科学・計算機科学分野における共同研究、人材育成を通じたわが国の科学技術・学術の進展及び地域の振興への貢献が期待できます。

調印式後の記者会見席上で、神戸大学福田学長は、今回の締結は、「計算科学研究機構と神戸大学との連携・協力関係を一層、強化するものであり、私たちはスーパーコンピュータ「京」を中核とした研究拠点の形成と、先端融合研究の推進に努力していきたい」と述べ、理化学研究所計算科学研究機構平尾機構長としっかり握手をしました。

これまでの経緯と今後の取り組み

神戸大学は、平成22年度にスーパーコンピュータ「京」との連携も視野に入れたシステム情報学研究科を設置しました。同研究科は、システム科学専攻、情報科学専攻、計算科学専攻の3専攻で構成し、計算科学専攻は全国初となる「博士 (計算科学)」の学位を授与する予定です。

また、ポートアイランド地区において、本学の先端融合研究を学外の研究機関、大学、産業界と連携して展開することを目的として、平成23年4月に「神戸大学統合研究拠点」を設置し、協定講座大学を初めとする他大学等と連携して、計算科学に関する人材育成プロジェクト等を推進しています。

一方、理化学研究所は、「利用者視点に立った共用施設としてのスーパーコンピュータ「京」の運用」及び「計算科学分野と計算機科学分野の連携、融合により先進の科学的成果と技術的ブレークスルーを生み出す国際的な研究拠点の形成」を基本コンセプトとして、平成22年7月、ポートアイランド地区に「計算科学研究機構」を設立し、平成24年9月末の共用開始を目指して取り組んでいます。

計算科学研究機構では、我が国の計算科学の発展のための中核的拠点を形成し、スーパーコンピュータ「京」を核に分野融合型研究や人材育成等を先導するために、国内外の計算科学分野や計算機科学分野に関連する研究機関や大学等とも積極的に連携し、研究開発や人材育成を進めています。

以上のような経緯から、神戸大学と理研計算科学研究機構は、計算科学・計算機科学分野における連携協定を締結することとなりました。

平成24年度からは新たに神戸大学と理化学研究所計算科学研究機構との間で「3次元可視化装置を活用した共同研究」及び「超並列固有値ライブラリ共同研究」を開始し、共同研究室を神戸大学統合研究拠点内に設置しました。一方、人材育成に関しては、神戸大学と理化学研究所計算科学研究機構が協力して、大学・研究機関および企業で最先端シミュレーション技術の導入・利活用を牽引するリーダーの養成を目指して、一つの大学では成し得ない教育、分野横断的教育のためのシミュレーションスクール等の実施を開始しています。

これらの連携・協力活動により、スーパーコンピュータ「京」を中核とした研究拠点の形成、計算科学・計算機科学分野の人材の輩出等に貢献できるものと考えています。

(研究推進部研究推進課)