神戸大学海事科学部 は、平成25年度 (2013年度) からの学科改組を文部科学省に申請しておりましたが、このたび、申請どおり承認されました。

平成25年4月入学者の入試方法については、神戸大学 > 入学者選抜要項 および 海事科学部 > 海事科学部の改組について をご覧ください。学科改組の目的および概要については、以下をご覧ください。

学科改組とその目的

地球環境問題やエネルギー問題に対する抜本的対応が遅れていた中で、地震と津波がもたらす深刻な被害、そして、原子力発電所の重大事故による放射能汚染が実際に発生しました。日本列島に暮らす私たちは生活の安全と安心、そして、国土利用のあり方について、立ち止まり、一から考え直す必要に迫られています。この未曾有の災害が発生する以前より、神戸大学海事科学部においては、急速に進んでいる海事社会の変化、海洋基本計画・新成長戦略・科学技術基本計画などの全体的な方向づけや大学教育の実質化・グローバル化に対応するとともに、学内における教育研究改善の動きを実質化させるため、総合大学としてのメリットを生かしながら、これまで以上に学際的・総合的な教育研究を行えるような体制とカリキュラムのあり方について検討を進めていました。「海洋基本計画」では、「海洋に関わる事象は相互に密接に関連していることから、海洋立国を支える人材には、多岐にわたる分野につき総合的な視点を有して事象を捉えることのできる幅広い知識や能力を有する者を育成していくことが重要」と謳われており、大学においても「学際的な教育及び研究が推進されるようカリキュラムの充実を図る」ことが求められるからです。

検討においては、10～20年後に想定される社会とそこで必要とされる人材像について議論しました。その結果、学部の方向性としては、1) 海事・海洋分野における環境とエネルギー、安全 (防災・減災) を総合的に扱う教育研究体系の構築、2) ロジスティクス分野における経済・経営系科目の増強、3) 航海マネジメント分野における運航技術に関する基礎科目の強化、4) 機関分野における工学基礎科目の強化、5) 海事技術者養成カリキュラムの高度化が必要、と結論付けました。

これらを実現するために、現行の「海事技術マネジメント学科」及び「海洋ロジスティクス科学科」は廃止し、「海洋安全システム科学科」と「グローバル輸送科学科」を新設します。既設の「マリンエンジニアリング学科」及び新設の「グローバル輸送科学科」は各々2コースとし、以下の学科編成とします。

学科組織

改組の概要

「グローバル輸送科学科」

大陸を繋ぐ地球規模でのグローバル輸送を、安全性と効率性、経済性、国際的な競争力、地球環境保全の観点から最適なものにするための教育と研究を展開します。理系の学問をベースにして輸送科学に取り組むのが「グローバル輸送科学科」の特徴です。実際に船舶の運航を指揮する海事技術者 (船長や航海士) になるための科目を学び、海事社会のリーダーを養成する「航海マネジメントコース」と、さらにひろく交通・物流分野の経営を担当するスペシャリストを養成する「ロジスティクスコース」が選択できます。

「海洋安全システム科学科」

安全で安心できる社会環境の整備と確立に貢献できる人材を育てるために「海洋安全システム科学科」を新たに設置します。ここでは、港湾施設を含む沿岸域の防災と減災、自然エネルギー源としての洋上風力発電や海洋発電の開発、放射線を含む環境計測とその技術開発、環境保全のための新しい機能性材料の開発に貢献できる人材を育てます。

「マリンエンジニアリング学科」

「マリンエンジニアリング学科」の特徴は、基本的な工学を全般的に学ぶところです。機械工学としての材料力学や工業熱力学、流体力学を体系的に学びます。同時に、電気・電子工学としての電気回路や電気機器を制御理論とともに学びます。これによって大型のエネルギープラントや巨大船舶を前にしても、それらの全体が見渡せるような、「部分と全体」が分かるエンジニアを養成します。「機関マネジメントコース」は、船舶の海事技術者 (機関長や機関士) を目指す人のために設置されています。「メカトロニクスコース」では、さらに電気電子材料学や超伝導工学について学び、基本的な工学に習熟したゼネラリストとスペシャリストの双方の特質を持ち合わせたエンジニアを育成します。

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お問い合わせ先

学科改組全般に関する問い合わせ先

神戸大学海事科学部
電話 078-431-6200 (代表)

入試に関する問い合わせ先

神戸大学海事科学部学生係
電話 078-431-6225 (ダイヤルイン)

海事科学部ホームページ

海事科学部の学科改組の詳細につきましては、下記ホームページをご覧ください。

• 大学院海事科学研究科
• 平成25年度学科改組について