神戸大学

附属小と附属食資源教育研究センターがお米をつくりました

2012年10月25日

附属小と附属食資源教育研究センター (以下、食資源センター) は共同授業を行いました。子どもたちに、実際に自分たちが食べるお米を田植えから収穫まで手掛けてもらい、食の大切さを学んでもらうという試みです。


5月17日 (木)、附属小学校の庭園の田圃で2年生児童が田植えを行いました。

学習支援として食資源センターからは山崎准教授と井上室長が指導を行いました。

今回植えた稲は「はいいぶき」という品種です。(米の胚が大きく、センターでは発芽玄米〈ガンマーアミノ酪酸を増やした状態〉にし、通常の白米に2割程度混ぜて炊飯することをすすめているお米です。) まず、山崎准教授が稲作とイネ品種の作り方についてスライドを使って授業を行いました。

次に子どもたちは苗のとりわけ方、持ち方までの指導を受け、一列ごとに順番に手植えを行いました。

田んぼに入るときのどろっとした感覚が新鮮なのと、いよいよ田植えができる気持ちとで、大はしゃぎの子どもたち。田んぼを準備するために、田おこしや代かきをしてきた子どもたちにとって、田植えは、「まってました!」の活動だったようです。

また、食資源センターの先生方から稲を受け取り、いざ植えていくときには、「なかなかむずかしいな。」「こしがいたくなってきたよ。」と、大変さも感じていました。田植えが終わった後は、「これから毎日、様子をみるぞ!」と、どんな生長がみられるのかと心おどらせる姿や「早くお米が食べたい!」と、自分たちが育てたお米を味わうことを楽しみしする姿が見られました。

生長の過程を手にとりながら観察しました。中には「詳しく見たい!」と家庭からルーペを持ってきた子どももいました。

田植えの際の「かかしが必要」というセンターの先生の指導から、お米を守るためにかかしを一生懸命手作りしました。

9月に入り稲穂も大きく実ってきました。収穫までもうすぐです。


10月1日 (月)、2年生の子どもたちは待ちに待った稲刈りを行いました。

稲刈りは食資源センターから山崎准教授、井上室長が指導し、さらに農学部4年生の岡田くんもボランティア参加してくれました。

子どもたちも真剣に説明を聞いています。

しっかり説明を聞いて、稲刈りに挑戦しました。

刈り取った稲穂は天日で干し、脱穀を待ちます。

美味しいお米になりますように…。


10月12日 (金) 刈り取った稲穂の脱穀に挑戦しました。

食資源センターからは山崎准教授、不断技術職員、田中係長が指導しました。

最初に割り箸とビニール袋を使って脱穀を行いました。

次に機械を使った脱穀も行いました。

最後に脱穀した籾は、籾摺機で籾をはずして玄米にし、唐箕 (とうみ) で玄米とモミガラに選別します。

子どもたちは初めて見る機械に好奇心いっぱいのようです。

慣れてくると一粒づつ手でモミガラをはずす子ども…。

収穫の一連の作業を終え、子どもたちからは、さらに活発な質問がありました。

最後に収穫出来た玄米4.1kgを子どもたちの手から学校栄養士の先生へ引き継ぎ、翌週の月曜日に全校生の給食に調理して献立に上げる約束をしました。


10月15日 (月) 自分たちで収穫したお米が発芽玄米のご飯として給食に出ました。

ご飯の食缶のふたを取った瞬間、子どもたちから「わーっ!」と歓声が上がりました。「いただきます」をするやいなや、ご飯を口に運んで「おいしい!」「甘い!」と友だちと自分たちで育てた米を噛みしめていました。その一方、噛むとガリっと音がするものが…それは自分たちが取りきれなかったモミガラでした。ここで初めて、普段食べているお米の質の高さや農家の方々の丁寧さに気が付き考える姿が見られました。

また、脱穀の際に米の一粒一粒を大切にしたことから『米の命』の存在に気づく子どもが多く、学習後に「家や学校で米の一粒も残さず食べています」と記述する子どももいました。食事はそれぞれの命を頂いているということを身をもって感じたものととらえています。

今回の共同授業は、子どもたちのみならず、附属小と食資源センターにとって、互い貴重な体験となりました。

関連リンク

(農学研究科附属食資源教育研究センター)