神戸大学

ロンドンで高齢化社会をテーマにワークショップを開催しました

2012年12月10日

12月4日に国際交流基金ロンドン日本文化センターとの共催により、高齢化をテーマにしたワークショップを開催しました。神戸大学から、久保広正学長補佐、吉井昌彦経済学研究科長、三谷直紀経済学研究科教授、関根由紀法学研究科教授、羅志偉システム情報学研究科教授が出席しました。ワークショップは、2部からなり、第1部では、オックスフォード大学人口高齢化研究所のジョージ・リーソン副所長をモデレーターに迎え、神戸大学の4名の研究者の発表と英国の大学から参加したおよそ20名の研究者と意見交換、第2部では、ブルーネル大学のクリスティーナ・ヴィクター教授をモデレーターに迎え、120名の一般参加者に対して、4名の研究者の発表と質疑応答が行われました。

ワークショップでは、人口高齢化により社会保障財政が圧迫され、労働市場政策として高齢者と若年者の雇用を促進する政策が採られる一方で、間接的な影響として日本型終身雇用の質の低下、および労働市場における二極化という現象が起こっており、新たな課題として非正規雇用の増加、若年者の長期失業等が起きている現状について、今後、高齢化のもたらす経済的な利点や新たなニーズを積極的に捉え、若年者に活力を与える必要があることが確認されました。また、高齢化社会を支える技術として、高齢者の身体的活動機能の低下を補うために開発されている工学技術の事例も紹介され、そのようなヘルス・イノベーションの重要性の認識も共有しました。

高齢化社会における様々な諸課題はもはや各国の共通のものであり、今回は日本の現状と取り組みを紹介し、英国のケースと比較して議論することで、互いに有用な政策や試みに対する提示もなされました。

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(国際部国際企画課)