神戸大学

歴史文化をめぐる地域連携協議会を開催しました

2013年02月05日

第11回歴史文化をめぐる地域連携協議会が、「地域史を調べること学ぶこと ―目的と支援を問い直す―」というテーマで、2月2日土曜日、神戸大学文学部 (B棟331教室) で開催されました。

人文学研究科主催のこの行事は、同研究科地域連携センターの1年間の活動を集約する目的で開かれています。今年は地域史・郷土史団体の現状や課題、地域史調査と活用をめぐる新しい動きの紹介など、県内各地で地域史を調べ学ぼうとする人々の営為を未来にどのように繋げるかをテーマとしておこなわれました。

藤井勝人文学研究科長の開会挨拶、奥村弘副センター長 (地域連携推進室長) による開催主旨の説明のあと、つぎの10本の報告がありました。

[1] 大国正美氏 (神戸史学会) 「地域史研究の意義と課題 ―神戸史学会50周年と落合重信―」、[2] 坂江渉 (神戸大学) 「大学も関与する地域歴史文化継承事業の新しい動き」、[3] 大槻守氏 (香寺歴史研究会) 「大字誌づくりを目指して」、[4] 久斗政光氏 (三木市旧玉置家住宅文書保存会) 「市民グループによる襖の下張り文書作業と活用」、[5] 吉田ふみゑ氏 (常民学舎) 「文化サークル「常民学舎」と歴史民俗誌『Sãla』の歩みとこれからの活動」、[6] 増田政利氏 (網干地方史談会) 「史談会と学校教育 ―網干地方史談会の取り組み―」、[7] 小栗栖賢治氏 (兵庫県立歴史博物館) 「ひょうご歴史文化フォーラムをめぐって」、[8] 海部伸雄氏 (淡路市立青少年センター) 「地域の歴史文化を生かした教育活動の展開 ―淡路市立育波小学校の実践―」、[9] 岸本道昭氏 (たつの市教育委員会) 「地域と学校と行政が連携した歴史文化遺産への学びと活用 ―たつの市「堀家住宅」での取り組み―」、[10] 石松崇氏 (香美町教育委員会) 「香美町の歴史文化を引き継ぐために ―ふるさとマップ作り―」。

当日の参加者は、79機関109名にのぼり、これまでの地域連携協議会で最高の参加者数になりました。討論は約60分にわたって活発におこなわれ、やとりとを聞いた参加者の感想としては、「たいへん参考になる会だった」 (郷土史団体関係者)、「地域の歴史文化を次世代につなぐ事の大切さを再認識した」 (郷土史団体関係者)、「他所とのネットワーク作りが重要な課題だと実感した」 (雑誌編集者)、「地域文化財の継承において行政の果たす役割、とりわけ調整・支援、きっかけ作りが大きいと思った。市民の可能性を最大限活かしていけるよう努力したい」 (自治体職員) などの声がありました。

また本協議会は、歴史文化関係者の交流を深める場としても位置づけており、参加者、休憩時間、センターがあらかじめ用意した「交流コーナー」において、成果の発表やパネル展示などをおこなうなど、相互の親睦を深めました。

なお本協議会は、兵庫県教育委員会、たつの市教育委員会、香美町教育委員会の後援を受けて開かれました。

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(人文学研究科)