神戸大学

「WINPTech2012」を開催しました

2013年03月07日

「Workshop on Innovation and Pioneering Technology (WINPTech) 2012」(連携創造本部主催) が2月18日(月)~19日(火)、神戸大学統合研究拠点コンベンションホールで開催されました。本ワークショップは産業界が抱える課題と取組み、その課題を解決できるアカデミアの「知」についての講演・討論を目的としており、今回は「Recent Development in Drug Discovery Sciences」というタイトルで創薬科学研究にフォーカスした内容での開催となりました。

開催にあたっては、ベルギー王国ワロン地域政府 貿易・外国投資振興庁 (AWEX)、情報計算科学生物学会、公益財団法人 千里ライフサイエンス振興財団、理化学研究所・播磨研究所 放射光科学総合研究センターからの後援を受け、地域企業や他大学などから約100人の参加がありました。この国際ワークショップでは、国内外の製薬産業の現状とそれに対する新しい取組み、そして解決すべき課題に大学の「知」を活用する取組みのほか、創薬に関連した新しい研究トピックスが紹介されました。18日夕方に行われた交流会 (Networking Session) でも、製薬産業界における産学連携の新しい形の模索について活発な討論が行われました。

開催風景

第1日目となる18日には、産学連携担当理事である中村千春副学長による開会の挨拶、連携創造本部イノベーション推進部門長による主催者挨拶の後、本学医学研究科 片岡徹教授から「New strategies for development of anti-cancer drugs targeting the Ras signaling pathway」、ファイザー社シニアディレクター Jeremy Gale博士から「Translational and Biomarker-based decision making in Drug Development」、ベルギー・リエージュ大学GIGA研究所 Jacques Piette教授から「The organization and the mission of GIGA」と題した特別講演を頂戴しました。引き続いて行われた「Academia Drug Discovery World-wide」セッションでは、神戸大学、ベルギー ルーヴァンカトリック大学 (仏語圏)、千里ライフサイエンス財団、イギリス シェフィールド大学の創薬研究の活動が紹介され、産業界が抱える課題と大学が果たす役割についての討論が行われました。昼食後、「構造ベース創薬」セッションで、ライフサイエンス分野において大型放射光施設SPring-8・SACLAが果たす役割、新しいタンパク質構造解析手法やシミュレーション手法、創薬化学手法などによる研究成果が紹介されました。次いで、オーストラリア・クイーンズランド大学 Maree T. Smith教授から「Novel Analgesic Drug Discovery for Chronic Pain Relief: "Hot" Targets and Translational Challenges」、ファイザー社シニアマネージャー Makoto Nagaoka博士から「RA Pathways in Action」と題した特別講演、そして「New Horizon in Drug Discovery Research」セッションと「Recent Advance in Natural Drug Research」セッションが引き続いて行われ、薬用植物の活用を含む新しく優れた創薬手法についてのトピックスが紹介され、それについての討論が行われました。2日目となる19日には、「New targets for Drug Discovery」セッションにおいて、神戸大学、ベルギーのリエージュ大学とルーヴァンカトリック大学 (仏語圏)、鳥居製薬、カルナバイオサイエンスから新しい創薬ターゲットについての紹介・討論が行われました。

今回の国際ワークショップでは、大学関係者のみならず産業界特に製薬企業からの参加が多く、大学の「知」を生かした新しいアカデミア創薬ネットワークの構築のための活発な意見交換・素晴らしい議論ができたと感じています。今後とも神戸大学の「知」を生かした社会貢献を進めて行きたいと考えています。

集合写真

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(連携創造本部)