神戸大学

六甲台講堂など国登録有形文化財を訪ねる近代建築探訪の見学会に市民127人参加

2013年03月11日

神戸大学に残る国登録有形文化財を訪ねる見学会が3月2日 (土) 午後1時半から、六甲台第1キャンパスで開かれました。神戸市教育委員会文化財課と神戸大学が共催して開いたものです。当初予定していた100人をはるかに上回る申し込みがありましたが、最終的に127人が参加。本館貴賓室などふだん立ち入れないところを熱心に回りました。参加者のアンケートでは絶賛の声が多く、在校生からは「学生向けにもこのようなツアーをぜひやってほしい」との声が上がっていました。

六甲台本館、社会科学系図書館、兼松記念館、出光佐三記念六甲台講堂は神戸高等商業学校が大学に昇格したのを受けて、1931年 (昭和6年) から4年間かけて建設されました。いずれも鉄筋コンクリート造り、外観はベージュ色のスクラッチタイル (くしでひっかいたような縦線の模様を持つタイル) 張り。ロマネスク様式を基調とする落ち着いた建物群です。4つの建物とも2003年に国の登録有形文化財になりました。2009年から講堂を手始めに外壁、玄関周り、内部の意匠などを修復。2013年度の図書館で修復を終える予定です。講堂以外は文化庁からの助成を受けての工事で、修復後の公開が義務づけられており、今回の見学会はその第一弾でした。

見学会では修復の監修にあたった足立裕司・工学研究科教授が「旧神戸商業大学の近代建築」と題して講演。会場の六甲台講堂を飾る大壁画の由来を説明。建物外壁のスクラッチタイルやアーチ窓をできる限り建設当初のものに近く複製する苦労などを話しました。また、1935年に建てられ、2012年の修復開始と同時に文化財登録された武道場についても見所を詳しく説明しました。

このあと、足立教授と野邑理栄子大学文書史料室室長補佐の案内で、講堂、本館、兼松記念館、図書館、武道場のコースで見学。本館では1階の大教室やふだん公開していない2階の貴賓室にも入り、参加者は優雅な内装に感嘆の声をあげていました。

参加者のアンケートは「良かった」「今にない趣がある」「施設の充実している神戸大学で学びたかった」など好意的な回答ばかり。今後について「もっと簡単でいいから年1、2回やってほしい」という声も。中には4年生から「学生向けにもっと早くこのようなツアーをやってほしかった。愛校心の養成に役立つと思います」との声も寄せられました。

関連リンク

(広報室)