神戸大学

発達夜食堂の開設1年半を祝う

2013年03月15日

周辺に店舗などの施設がない神戸大学人間発達環境学研究科、発達科学部。夜遅くまで研究する院生たちにとって最大の悩みは晩ご飯を食べる食堂がないことでした。カップメンをすすったり、自宅に戻るまで我慢するのでは体に良くない。そう考えた博士後期課程でガンマ線天文学を研究する六條宏紀さん (28) は2011年夏、生協食堂の夜営業を目指して仲間たちと立ち上がりました。利用者アンケートをとり、これを元に生協食堂と交渉。その年の秋からの試験営業を取り付けるとともに集客にも奔走。今では一晩平均80人弱の利用までこぎつけました。開設から1年半の14日、院生たちや協力を惜しまなかった食堂のパートさんたちがパーティを開き、みんなの力で軌道に乗った夜食堂の成功を祝いました。

人間発達環境学研究科に在籍する院生は約280人。遅くまで残る教員もおり、夜間営業を要望する声は今までもありました。ただ生協食堂にとって一定の利用者を確保するメドが立たないのが障害になり実現していませんでした。

これに風穴を開けたのは2011年夏、六條さんが自然環境論コースの院生仲間から始めたアンケートでした。「夜間営業が実現したら週何回利用しますか」。前期テスト期間中、食堂前でアンケート用紙を配る六條さんに、院生も学生も協力。162件の回答が寄せられました。このアンケート結果に手応えを感じた神戸大学生協の加藤真理子フードサービス事業部長は発達食堂の担当者と一緒に六條さんたち院生と話し合い。営業時間や集客協力について煮詰め、まずは秋から2カ月の試験営業が決まりました。

せっかく始まる夜食堂を恒久的な物にと、六條さんたち院生は学部の大講義に出かけてはビラ配りして利用を呼びかけ。さらには「Science Café in 夜食堂」や仲間に頼んでのジャズ演奏など2週間に1回のイベント開催で集客を図りました。この努力に生協は試験期間終了後に夜食堂を常設化。当初、目標に掲げた一晩の利用者100人には及ばないものの、採算ラインの50人を上回る一晩平均76、7人にまで利用は増えました。この間、生協側も「無理しないで続けられる」営業時間を手探り。新年度からは17時半~19時営業とする予定です。

夜食堂一番の人気メニューは夕定食で、おかずだけなら340円。加藤部長は「皆さんに喜んでいただいてとても励みになります」と言い、六條さんは「仲間はみんな活力を持って研究できると喜んでいます」と話しています。

(広報室)