第12回歴史文化をめぐる地域連携協議会が、「地域歴史遺産の可能性を考える」というテーマで、2月2日日曜日、神戸大学文学部 (B棟331教室) で開催されました。
人文学研究科主催のこの行事は、同研究科地域連携センターの1年間の活動を集約する目的で開かれています。今年は、12年間にわたるセンターの活動を振り返って、地域歴史遺産にどのような可能性があるのか、大学で蓄積されてきた知的資源や専門性を、地域社会といかに結びつけるか、などの点を協議テーマとしておこなわれました。
内田一徳理事・副学長と藤井勝人文学研究科長による開会挨拶、奥村弘副センター長 (地域連携推進室長) による開催主旨説明のあと、まず前半の部では、この間、新たな成果を上げている3つの団体からの、つぎのような報告がありました。
- 海部伸雄氏 (淡路市文化財保護審議会副会長) 「淡路市の歴史的資料の現状と保存・活用」
- 國重和義氏 (神戸大学近世地域史研究会会員) 「『覩聞記』の研究と刊行をめぐって」
- 藤尾昇氏 (香寺町史研究会会員) 「岩部地区の大字誌編纂について」
午後の後半の部では、地域連携センターに関わる研究員、教員が、過去のセンター事業を振り返った4つの報告をおこない、またそれに対し、伊藤浄真氏 (摩耶山天上寺副貫主)、竹見聖司氏 (篠山市政策部企画課篠山に住もう帰ろう室室長)、遠州尋美氏 (大阪経済大学地域活性化支援センター長・経済学部教授) の3氏がコメントをおこないました。
当日の参加者は58機関96名にのぼり、討論は1時間以上にわたり活発におこなわれました。報告と討論を聞いた参加者の感想としては、「たいへん参考になる会だった」 (郷土史団体関係者)、「地域連携センターが、着実に実績を積み上げている様子をうかがえる会だった」 (資料館館長)、「専門的知性と市民的知性の歩み寄り、あるいは両者の信頼関係の構築の話がたいへん興味深かった」 (博物館職員)、「地域連携の一環として、是非とも多くの学生さんに現地入りしてほしい」 (まちづくり関係者) などの声や要望がありました。
また本協議会は、歴史文化関係者の交流を深める場としても位置づけており、参加者は、休憩時間、センターがあらかじめ用意した「交流コーナー」において、成果の発表やパネル展示などをおこなうなど、相互の親睦を深めました。
なお本協議会は、兵庫県教育委員会との共催行事として、また淡路市教育委員会の後援を受けて開かれました。