神戸大学

神戸大学ブリュッセルオフィス第4回シンポジウム「日欧連携の視点から見た高等教育のグローバル化」を開催しました

2014年03月19日

神戸大学は3月10日、ベルギー・ブリュッセルの欧州経済社会評議会において、欧州経済社会評議会及び日欧産業協力センターとの共同により、神戸大学ブリュッセルオフィス第4回シンポジウム「日欧連携の視点から見た高等教育のグローバル化」を開催しました。

神戸大学はこれまで欧州の大学・研究機関との連携を強化してきました。現在、神戸大学と海外との共同研究のうち約40パーセントが欧州との連携になっています。2005年、欧州委員会からの資金援助を受け、神戸大学、関西学院大学、大阪大学の3大学がEUインスティテュート関西 (EUIJ関西) を設置したのが皮切りです。幹事校の神戸大学はEUに関するさまざまなプログラム、イベントを展開してEUへの一般の関心を向上させました。さらなる連携強化を目指して神戸大学は2010年、日本の大学として初めてEUの首都ベルギー・ブリュッセルオフィスを設置し、また、2013年、日欧大学間連携に基づく学際的な教育を推進させることを目的として、「日欧連携教育府」を設置しました。このような実績が評価されてヘルマン・ヴァンロンプイ欧州理事会議長 (EU大統領) やジョゼ・マヌエル・ドゥラン・バローゾ欧州委員会委員長をはじめとするEUの著名人が多数本学を訪れています。

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© European Economic and Social Committee, 2014

今回のシンポジウムのオープニングにおいて、塩尻孝二郎欧州連合日本政府代表部特命全権大使が、冒頭では、翌日3月11日に3年目を迎える東日本大震災を記憶に残し続け、より強い社会の構築へ向けた絶え間ない努力を誓いました。その後、日欧政府による科学技術連携の合意や経済連携の交渉が開始した今、高等教育における日欧連携の重要さを改めて認識するとともに、今後の発展に期待を示しました。続いて、内田一徳神戸大学産学官社会連携・広報担当理事が、本学の欧州戦略に触れつつ、シンポジウムの開催で日欧の学術交流を一層強化する意思を伝えました。

第一部では、教育のグローバル化政策をテーマに、欧州連合日本政府代表部、欧州委員会、欧州経済社会評議会の政策担当者が、日欧の現状と課題を発表しました。続いて、第二部では、日欧連携による教育プログラムに関して、欧州経済評議会のメンバー、神戸大学、東北大学、リエージュ大学の研究者が報告を行いました。最後に、第三部では、欧州社会評議会のメンバー、欧州の企業に所属する研究者、欧州の企業及び欧州社会評議会の学生インターンが参加し、インターンシップを含む日欧交換プログラムの実例について報告し、その後参加者全体でオープンディスカッションを行いました。

シンポジウムを通して、日欧双方にとって、競争力の維持のための改革と政策的協力が重要であることを示し、また、ダブルディグリープログラムなどの国際連携の取り組みを紹介しました。聴講者からも多くの質問が寄せられ、講演者と活発な質疑応答がなされました。シンポジウムのクロージングでは、ジェーン・モリス欧州経済社会評議会副理事長が、ヘルマン・ヴァンロンプイ欧州理事会議長が詠んだ俳句を引用し、我々はそれぞれ別の場所に住んでいるが、同じ空の下、そしてグローバリゼーションによるチャレンジに共に立ち向かっていること、このことこそが、我々の関係を重要なものたらしめると述べつつ、今回のシンポジウムが、高等教育における日欧連携の発展に貢献するものであり、今後もより強固な成長と連携強化に向けた取り組みを進めていく必要性を訴えました。


Photos © European Economic and Social Committee, 2014