1月9日、出光佐三記念六甲台講堂において震災復興支援・災害科学研究推進室第3回シンポジウム「大震災を踏まえた教訓と課題―次世代へつなぐ―」を、東北大学、岩手大学、国立大学協会と共催で開催しました。学生・一般市民から研究者まで180人が参加しました。
シンポジウムでは、福田秀樹学長の開会挨拶、東北大学・里見進総長、国立大学協会・一井眞比古専務理事の来賓挨拶に続き、ひょうご震災記念21世紀研究機構の五百籏頭真理事長による「阪神淡路・東日本―2つの大震災への対応比較」と題して基調講演がありました。
続いて、東北大学災害科学国際研究所の今村文彦所長が「東日本からの教訓と復興-過去・現在・未来のアーカイブ-」と題して講演しました。
また、本学で東日本大震災に係る復興支援活動を行っている、震災復興支援・災害科学研究推進活動サポート経費採択事業のうち、5人が以下の順で講演しました。
- 「阪神から東日本へ―南海トラフ地震に向けての事前住宅復興」
神戸大学 工学研究科 准教授 近藤 民代 - 「防災・復興政策の20年と今後の大学の役割」
神戸大学 社会科学系教育研究府 特命准教授 紅谷 昇平 - 「震災の記憶を歴史として伝えるために」
神戸大学 人文学研究科 特命講師 吉川 圭太 - 「災害復興における被災者の権利保障―神戸・東日本・アジアの教訓」
神戸大学 国際協力研究科 教授 金子 由芳 - 「我が国の災害医療の発展」
神戸大学 医学部附属病院 特命教授 西山 隆
休憩時間には、震災復興支援・災害科学研究推進活動サポート経費採択事業などのポスター展示会場において、事業代表者等による事業説明も行われ、多くの方と活発な質疑応答が交わされました。
講演後のパネルディスカッションでは、阪神・淡路まちづくり支援機構事務局の津久井進局長をコメンテーターに迎え、本学の人文学研究科奥村弘教授が司会を務め、各講演者も登壇し、阪神・淡路大震災から20年を迎えるにあたり、この20年間に神戸大学が果たしてきた役割の検証と、その上で新たな課題を設定し、これらを次の世代へいかにつないでいくか、幅広い議論が展開されました。
来場者からは、「阪神・淡路大震災と東日本大震災、2つの大震災への対応の違いについて話を聞くことができてとても実りがあった」「今後も市民への情報発信を続けてほしい」といった意見や感想が寄せられました。
今後とも神戸大学は、震災復興支援・災害科学研究推進室を中心に、東北大学、岩手大学をはじめ他の大学や研究機関、自治体、マスコミとの連携を強化し、叡智を結集して、大震災に見舞われた方々の救済や被災地の復興、人類に共通する災害復興問題の解決を目指して、復興支援活動により一層積極的に取り組んで参ります。