神戸大学

[経済学研究科] 「日経センター・神戸大学ジョイントリサーチフォーラム」を開催しました

2015年02月17日

牛山 隆一 氏
(日本経済研究センター・
国際アジア研究部主任研究員)

「日本経済研究センター」は、日本を代表する民間シンクタンクであり、日本経済及び世界経済の様々な諸問題に対して的確な分析を行っていることで知られています。

神戸大学経済学研究科は、日本経済研究センターとの共同研究を行ってきましたが、その一環として、2月16日(月)に「日経センター・神戸大学ジョイントリサーチフォーラム」を開催しました。

当日は、地主研究科長の挨拶に続き、可部繁三郎氏(日本経済研究センター・主任研究員)による「HumanResource Development: Expected Role of Higher Education」の報告がありました。この研究では、アジアの今後の経済発展を考えるうえで重要な人的資本の育成・開発に焦点を当て、今後のアジアの発展において、特に、高等教育の果たす役割について分析が行われました。

次に、牛山隆一氏(日本経済研究センター・主任研究員)による「アジア中所得経済の現状・課題」に関する報告があり、アジアの中所得諸国に関する現状の整理と今後の課題について議論の整理が行われました。

竹内 文英 氏
(北陸先端科学技術大学院大学・教授)

第3に、竹内文英氏(北陸先端科学技術大学院大学・教授)による「Industrial Structural Change and Productivity Growth in the Global Value Chains (GVCs) Era」の報告が行われました。この研究では、2000年代以のGlobal Value Chains (GVCs)の拡大が世界経済にもたらした影響について、産業構造や生産性への影響という観点から分析が行われました。

第4に、陳旺氏(神戸大学経済学研究科・博士課程後期課程2年)と金京拓司氏(神戸大学経済学研究科・教授)による「Financial Development and Resilience」の共同報告が行われました。その中では、(1)金融深化の観点から見た金セクターの発展が経済成長に及ぼす影響、及び、(2)国内金融市場の対外開放が国内の経済変動に及ぼす影響、に関する実証的な分析が報告されました。

最後に、羽森茂之氏(神戸大学経済学研究科・教授)による「アジア各国の経済成長要因を探る:BMAアプローチ」の報告が行われました。この研究では、Bayesian Model Averagingの手法を用いて、定式化の誤りによる問題を軽減するこを考慮し、アジア諸国の成長要因を分析しようとする試みについて報告が行われました。

今回のフォーラムは、フロアーからも活発な議論が行われ、アジアにおける「中所得国の罠(middle-income trap)」を理解するうえで有意義な一日となりました。

(経済学研究科)