神戸大学

「目指せ世界最高水準」 福田秀樹学長が退任講演

2015年03月19日

2015年3月末で神戸大学長を退任する福田秀樹学長の記念講演会が3月18日、出光佐三記念六甲台講堂で行われました。約140人の教職員らを前に、神戸大学での21年間を振り返りながら、「今後、大学の置かれている環境が今以上に厳しくなるが、世界最高水準の総合研究大学を目指してほしい」と期待を述べました。

福田学長は1994年、化学メーカーの鐘淵化学工業(現・カネカ)から神戸大学工学部応用化学科教授に就任し、バイオリファイナリー研究などに取り組みました。記憶に残る当時の研究室の学生2人を挙げ、「1人は指導される通りに実験せず、もう1人は髪をショッキングゴールドに染めた学生だったが、学会論文賞を受賞し博士号を取得したり、『放射菌による酵素生産技術』の発展に貢献したりと、それぞれが大きな成果を挙げた。創造力は知識だけではない、見かけだけで判断してはいけないということを教えられました」と話しました。

2009年4月の学長就任以降の2期6年間の実績として、「文理融合・分野横断型の先端研究の推進」、「産学連携による先端研究の推進」、「国際化の推進」を挙げました。

「文理融合・分野横断型の先端研究の推進」として、2011年に「統合研究拠点」、2012年に「社会科学系教育研究府」を設置したこと、「産学連携による先端研究の推進」として、2015年、「次世代バイオ医薬品製造技術研究組合」が統合研究拠点に新たに加わること、「先端膜工学研究拠点」が設置予定であることを詳しく話しました。

「国際化の推進」では、2010年にヨーロッパの拠点としてベルギーに「ブリュッセルオフィス」を設立したことに触れ、「欧州各国へのアクセスもよく、EUの本部がありヒト・モノ・カネが集まるブリュッセルに目をつけた」と設立への思いを振り返りました。海外の同窓会組織もタイ、マレーシア、シンガポール、ミャンマー、ラオス、モンゴルと拡大を進めました。また、英国留学体験から、次世代の教育研究を担うグローバルな視点を持った人材を育成するため、「神戸大学若手教員長期海外派遣制度」を設けて、平成26年度までに100人派遣を達成したことを報告し、「次期学長の下でも継続してほしい」と話しました。

最後に、自身が取り組んだ事業として「機能強化改革構想の立案」を挙げました。「世界最高の教育研究を展開し、地域活性化の中核となるよう社会と協働し、高い付加価値を生み出す国立大学として挑戦し続けてほしい」と呼びかけ、締めくくりました。

(広報室)