大学紛争で大学校舎が封鎖され、昭和44年 (1969年) 3月予定の卒業式が開催できなかった当時の8学部の卒業生172名が全国から集まり、10月27日に出光佐三記念六甲台講堂にて「50年目の卒業式」が開催されました。
この卒業式は、一昨年に卒業生によって発案され、実行委員会を立ち上げるとともに、昨年春から具体的な準備が進められました。
式典では、開演前に当時の懐かしい写真がスライドで投影されました。川畑亜紀氏 (平成10年文学部卒) の司会のもと、実行委員会共同代表の番尚志氏 (経営学部卒) による主催者代表挨拶が行われ、次に参加が叶わなかった物故者への黙祷が行われました。
武田廣学長が祝辞を述べた後、50年前に当時の戸田学長事務取扱が作成された祝辞を代読しました。
また、住田功一氏 (昭和58年経営学部卒) の編集による「1969年の学園の映像」(1979年映画研究部制作フィルムから)が上映され、当時の映像がスクリーンに映し出されました。
野邑理栄子大学文書史料室室長補佐の「神戸大学の今昔」と題した講演や、現役学生の活動報告並びに留学生の体験報告に加え、グリークラブや混声合唱団アポロンによる合唱が華を添えました。
式典の中では、同窓会有志を代表して共同代表の三谷史生氏 (経済学部卒) から、大学の発展を支援するという思いを込めて武田学長に神戸大学基金への寄附が贈呈されました。
式典終了後は、秋晴れの大学の正門前で記念写真を撮影し、アカデミア館ベルボックスで懇親会も開催され、卒業生は半世紀の時を超えてあの日に戻り、大いに旧交を温めました。