公開講座 グローバル金融危機に揺れるEU経済

公開講座の開設主旨・目的等

欧州連合 (EU) は、その創設以来、深化と拡大を繰り返してきました。経済面での深化を見れば、関税同盟・共同市場・共通通貨ユーロの採択と経済統合の水準を高めてきました。そして、加盟国は当初の6カ国から現在は27か国に増え、数年内にさらに数カ国が加盟すると言われています。しかし、その動きは必ずしも順調というわけではなく、かつて「ユーロペシミズム (ユーロ悲観主義)」が盛んに言われました。

21世紀に入ると、2002年のユーロ通貨の発行、2004・07年の東方拡大、そしてその後の順調な経済成長によって、EU経済は盤石であるかのように思えました。しかし、2008年秋に発生したグローバル金融危機はEUを直撃し、加盟27か国の平均成長率は2009年にはマイナス4.2%となり、プラス成長を記録したのはポーランドのみ、バルト3国 (エストニア・ラトビア・リトアニア) では2桁のマイナス成長となり、ギリシャ、ポルトガル、アイルランドなどでは深刻な経済危機が続いています。  この講座の第1の目的は、まずEUとは何か、EU経済、そしてユーロはどのように運営されているのかを理解した後、EUにとってグローバル金融危機とは何だったのか、そしてEUは危機をどのように克服しようとしているのかを理解することです。

この講座の第2の目的は、短期的には同じくグローバル金融危機の影響を受け、長期的にはEUと同じく少子高齢化・人口減少が進行している日本経済が、EUから何を学ぶことができるかを考えていただくことです。例えば、高福祉・高負担として知られていた北欧の国々は、ノキアやエリクソンに象徴されるように、今や世界の成長センターの一つとなっています。中・東欧の国々も、市場経済移行と構造改革を進める中で、欧州における成長センターへと変貌してきました。

神戸大学は、2005年4月に欧州委員会の資金援助により関西学院大学、大阪大学とのコンソーシアムとして設立されたEUインスティテュート関西 (EUIJ関西) の幹事校であり、日本におけるEU経済・政治の教育・研究センターとして様々な活動を行ってきました。本公開講座では、EUIJ関西にかかわる教員が、これらの問題を一般の受講者に分かりやすく説明し、理解を深めてもらおうとするものです。

この公開講座を受講することによって、EUとは何か、グローバル金融危機のEU経済への影響はどのようなものであったのか、そして私たち日本はEUから何を学びとることができるのか、といった問題について理解を深めていただければ幸いです。

講義日程・題目及び講師

講義日 時間 講義題目 講師
1 6月18日(土) 13:40 ~ 15:10 危機を脱するか、EU経済 (1) 久保 広正 教授
2 15:20 ~ 16:50 危機を脱するか、EU経済 (2) 久保 広正 教授
3 6月25日(土) 13:30 ~ 15:00 ユーロと金融危機 岩壷 健太郎 准教授
4 15:10 ~ 16:40 日本経済と東アジア 金京 拓司 教授
5 7月2日(土) 13:30 ~ 15:00 スウェーデン社会を支える産業構造 丸山 佐和子 准教授
6 15:10 ~ 16:40 多様性の中のEU統合:ベルギーを例として 奥西 孝至 教授
7 7月9日(土) 13:30 ~ 15:00 新規EU加盟国の中東欧諸国・バルト3国 エヴァ・バニンコヴァ 准教授
8 15:10 ~ 16:40 南東欧諸国のEU加盟 吉井 昌彦 教授
連絡先
神戸大学 大学院経済学研究科 総務係
Tel: 078-803-7245
Fax: 078-803-7293
E-mail: econ-soumu@office.kobe-u. ac.jp

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