憲法の知識は小学校の社会科の教科書にも出てくる。ところが、大学の法学部の憲法の講義で聞く内容は、 高校までの勉強を前提にしても非常に高度なものとなり、初めて耳にするようなものが多い。さらに、 各種の資格試験あるいは法科大学院の入学試験を受けようと思うと講義で聞いた内容だけでは不十分であり、 より高度な知識の修得を必要とする。そこで、本書は、憲法学説として展開されている個別領域の内容について、 単に専門の研究者の論文や著書を読んだだけでは理解しにくい、あるいは、よく分からない論点を、 憲法学を研究対象にしている3人の大学教員が、 学説として非常に重要な主張を展開している研究者に対して疑問を直接質問し、議論を展開する、 ある種の対談集となっている。
筆者は、本書の編者の1人として、 人権総論・各論および統治機構の中の5つの個別領域についてインタビューアーとなり、 さらに最後に編者3人によって憲法というものをどのように学べばよいのかの対談を行っている。
また、本書は、単なる対談集としてだけではなく、ある意味での対話型の学習のような方法も模索しており、 各項目の最後には、その項目を担当した編者によって、 そこで取り上げた判例やそこでの議論についての理解をより深めるための参考文献、そして、 読者自身で考えるための例題設問も挙げており、憲法をより深く知り、考えるための文献といえる。
