神戸大学における点検・評価の基本的な考え方

はじめに

神戸大学が世界の拠点大学としてさらなる発展を遂げるためには、本学の理念や使命にもとづき、大学及び構成員が自主的、自律的に自らの活動を継続的に点検・評価し、教育研究の質を常に向上させる努力が不可欠である。そのためには国際的にも通用する公正かつ合理的な点検・評価体制を構築する必要がある。そこで、神戸大学における点検・評価の基本的な考え方をここに表明し、大学内外の関係者に対して、点検・評価への理解と協力を求めるものである。

点検・評価の理念

(理念・使命に基づいた点検・評価)

神戸大学は、人文・人間科学、社会科学、自然科学並びに生命・医学に及ぶ広範な教育研究活動を通じて、知の創造、継承及び普及に社会的責任を負っている。点検・評価は、神戸大学が、この社会的責任を果たし、今後も国際的な知の拠点として発展していくために、常に真摯に自己を見つめ直し、良きところはさらに一層発展させ、改めるべき点は改善していくという自律的かつ継続的な自己改善努力に不可欠な営為である。したがって、神戸大学における点検・評価は、本学の掲げる理念や使命に準拠して実施されるべきである。

(外部の視点を取り入れた点検・評価)

また、自己改善に資する活動としての点検・評価は、知の創造、継承及び普及の主体である教員が責任を持って実施する自己点検・評価を基盤とすべきであるが、大学という知的共同体の構成員である学生と職員の積極的関与が不可欠であるのみならず、自己点検・評価の客観性や妥当性を確保するためには外部の視点も必要である。

(証拠に基づいた点検・評価)

点検・評価の対象となる教育研究活動は、国費、学生納付金、寄付金等を基盤として実施され、評価結果は、運営費交付金などの様々な資源配分に反映される。また、点検・評価の結果判明した優れた取組を学内外で共有することが望ましい。これらのことから、点検・評価は、データや資料など証拠に基づき実施し、結果のみならず、その過程についても透明性を確保すると同時に公正な仕組みでなければならない。

(合理的、効率的な点検・評価)

さらにまた、今後は、自己改善に資する自己点検・評価だけでなく、それを基礎として実施される国立大学法人評価委員会による評価や認証評価機関による評価など様々な外部組織による評価が実施されることから、評価疲れや評価のための評価という陥穽にはまらないためにも、合理的かつ効率的な仕組みでなければならない。

(自らも改善する点検・評価)

最後に神戸大学の点検・評価体制それ自体も、つねにその理念・使命・目的や環境の変化に照らして最適となるよう自己改善に努めなければならない。

点検・評価の目的

点検・評価の目的は、神戸大学、各部局等、各教職員が、本学の理念や目的・計画のもとで、それぞれの使命や目標の実現に向けて、自らがその到達点を確認し、さらなる飛躍を支援することにある。

点検・評価の単位

大学の中核事業である教育研究活動は、部局等を単位として実施されている。したがって、神戸大学の点検・評価は、各部局等の点検・評価の集大成と考えることができる。また、各部局等での教育研究活動は、各教員が担っていることから、各部局等の点検・評価は、各教員のそれらの集大成と考えられる。したがって、点検・評価の目的に応じて適切な評価単位の設定に留意しつつ、神戸大学を対象として実施される国立大学法人評価委員会による評価や認証評価機関による評価への対応を勘案して、それらの評価の基盤となる自己点検・評価も部局等を単位とする「組織点検・評価」と教員個人を単位とする「教員点検・評価」で構成することを基本とする。

なお、教員以外の職員の点検・評価についても、組織及び個人の単位で、それぞれの使命や役割に応じて、該当する部局等において実施するものとする。

点検・評価体制

教育研究の質を保証し改善するのは、規則や制度ではなく、教育研究の主体である教員自身であることは論をまたない。したがって、点検・評価の第一の主体は、教員自身である。まず、教員と教員集団である部局等が、自らの活動を真摯に点検・評価することが、神戸大学の点検・評価の出発点である。

そこで、まず、部局等の長が責任をもって(大規模な部局にあっては、学科や専攻の長など)所属教員と部局を点検・評価する。部局等の長による教員の点検・評価及び組織点検・評価を支援する組織として、各部局等に自己点検・評価組織を設置する。

次に、各部局等の長による教員点検・評価及び組織点検・評価が、この基本的な考え方に表明されている理念と目的に適った妥当なものであるかどうかを、学長を長とする神戸大学評価委員会が点検・評価する。

つまり、神戸大学評価委員会を最終責任組織として、上位の階層は、直近下位の階層における点検・評価の手続き・過程・結果等がここに表明している基本的な考え方に沿った適正なものであるかを点検・評価するというメタ点検・評価体制とする。

なお、企画評価室は、神戸大学評価委員会や各部局等の点検・評価組織と連携し、本学における点検・評価の円滑なる実施に寄与する。

点検・評価分野

点検・評価は、教育、研究及び社会貢献を中心として、本学の理念や使命を考慮した分野やテーマを設定し、総合的に実施する。

点検・評価の観点

神戸大学における教育研究活動の規模の大きさと多様性を勘案すれば、点検・評価の観点や要素そして基準の詳細を全学的に統一することは不可能であるばかりでなく、かえって各教員や各部局等の創造的で独自な取組を萎縮させ、教育研究活動の活力を低下させるおそれがある。したがって、別に定める点検・評価規則や評価指針などでは、点検・評価の分野、観点、要素等について大綱的に定めるにとどめる。

ただし、理念の項に表明しているように、神戸大学における点検・評価は、神戸大学の掲げる理念や使命が準拠枠となることから、大学が各部局等の点検・評価を実施する際、各部局等が神戸大学の理念の実現や使命の達成にいかに貢献しているかを基本的な観点とする。同様に、各部局等においては、各教員が部局等の理念の実現や使命の達成にいかに貢献しているかを基本的な観点とする。

なお、神戸大学の点検・評価の目的が、教育研究活動の質の向上を支援することであることから、大学、各部局等及び各教員の点検・評価報告には、点検・評価の結果を踏まえた改善方策についての言及を必ず含むこととする。

点検・評価の実施時期

大学及び各部局等での点検・評価は、国立大学法人評価委員会による評価や認証評価機関による評価の時期を考慮し、総括的な点検・評価は3年から6年の周期で実施するのが妥当である。ただし、教育研究活動の質の改善や向上は一朝一夕に実現できるものではないことから、計画的に実施することとする。

点検・評価結果の公表

神戸大学における点検・評価に関する情報は、その性質上開示に適さないものを除き、原則として大学内外に公表することとする。

点検・評価結果の利用

神戸大学における点検・評価の結果は、職員研修や資源配分など神戸大学の教育研究活動の質の向上に必要な方策に利用する。