第5回経営協議会議事要録

日時
平成17年6月27日 (月) 13:00~16:00
場所
事務局6階 大会議室
出席者
野上議長 (学長)、鈴木委員、北村委員、守殿委員、西田委員、眞山委員、 西島委員、坂本委員、高さき委員、天野委員、井上委員、河内委員、谷井委員、 新野委員、はま委員、水越委員、矢田委員
欠席者
井戸委員、佐藤委員
オブザーバー
赤塚監事、小西監事、川嶋学長補佐、中野学長補佐、冨田学長補佐
議事要録の確認
平成17年3月29日開催の第4回経営協議会の議事要録について、新野委員からの意見に基づき、一部修正の上了承された。
議題
  1. 平成16事業年度に係る業務の実績報告について
    平成16事業年度に係る業務の実績報告について説明があり、審議の結果、本日の意見を踏まえ修正を加えることとし、内容は大学に委ねることとして了承された。委員からの主な意見等は次のとおり。
    (○: 意見・質問、→: 回答)
法人化後のこの1年で、一番変わったところと、その間で課題も見えたでしょうから感想も含めお聞きしたい。
法人化初年度で、制度の定着にエネルギーをそそいだ。研究のパフォーマンスを上げるために研究資金、外部資金を自ら獲得していくことの重要性を認識した1年であった。それを、全学あげて支える仕組みをどう構築するかという課題も見えた。
問題点としては、法人法のフレーム、病院の経営に関するフレームは大学ではどうしようもないというところであった。運営費交付金の1%カットがいつまで続くのか見通しがつかない、授業料も大学の意向と財務当局の意向がかみ合ったフレームになっていないということもある。大学はひ弱であり、自ら資金を獲得しないといけない状況に追い込まれている。病院について言えば、必死になって頑張っているが、今後とも2%の収入増が際限なくかけられると、到底対応しきれるものではない。新たな施設整備、新たな負債には資金を投下しないというようなフレームではやっていけない。
本学が国際的な競争に勝ち残るためには、教育研究のクォリティーを如何に維持向上させるかが重要課題で、今年度に入ってからは大学院の教育課程の全面的見直しの検討を始めている。学部教育にあっては、全教職員が一人一人の学生をしっかり育てることを考えている。留学生については優秀な留学生を増やしていきたいが、受け入れ諸条件の整備が充分ではなく、停滞している感がある。
自己評価、教員評価の仕組みはどうなっているのか。
現在はまだ学部の努力にまかせているのが実状である。教育については、クォリティーをあげるため、三学部で教員がお互いの授業を公開しレベルアップの工夫をしている。かなり良い成果が出ている。全学共通教育では学生による評価も実施している。かなり厳しい評価もあるが、これも教員に示している。大学院においても同様の取組を行っており、今後、全学的に展開することが課題である。
研究については、科研費が獲得出来たか否かを問わず、申請しない教員は研究者とは見なさないという姿勢です。自ら研究費を獲得し研究するという意思を示すよう啓蒙している。
神戸大学情報データベースに教員のパフォーマンスを自ら登録することが決まったが、如何に評価に結びつけるか未定である。これを評価に使うかはこれからの課題である。システムを作った段階であり、新たな合意形成がいる。
評価に関し横並びで見た場合、他大学に比較して進んでいるか。
今後、認証評価等を受けるわけだが、このデータは組織の基本事項で、教員個々のパフォーマンスを見るものではない。大学が先進的かどうかというのはわからないが、ただ、この作業なくしては前へ進めないということで、まず、我々のパフォーマンスをきちんと把握するという環境をつくりたい。そして、それを我々の必然的な任務として理解するということをやりたい。
実績報告書の内容は、このような表現で文科省の了解を得ているのか。何かを改良したとか、制度的な工夫を進めたとあるが、その成果がどうであったかというものがない。こういうことは、文科省から質問されないのか。
文科省には事前に相談し助言を得たところである。なお、この助言を参考にヒアリングにおいては、実績報告書に基づいた「要点」により説明し、それに対して質問がある。
実績報告書の「全体的な状況」を基に5分くらいで説明することになる。いただいた意見をできるだけここに反映できるよう表現を改めて整理したい。
何かありきたりのことがずっと書いてあって、こういうものを文科省の方で90大学ほどずっと聞いてても、全然おもしろみも何もない。どういう質問になるのかなと思う。
重要なのは、89国立大学の話ですから、神戸大学として、特筆すべきことは何なのか。他の大学にないことをやっているということが重要である。グッドプラクティスをやっている大学が、今、中心になるのではないかと思う。そういうことを強調した方が良い。何々室を作ったというような話だけだと、実は何もやってないと同じに取られてしまう。少し中身を変えられた方がいいと思う。
次年度以降に向けて、何か新しい予算配分の方式の検討を進めているとか、そういうことを書かれる方がきっちり取り組んでやっているということになる。17年度から変わるということで、単年度で終わるわけではないので、毎年、報告していかなければならないのだから、そういうものを踏まえて、少し中身にメリハリをつけられた方がいいのではないかとは思われる。
三点ないしは四点、重点的なものを大学が目指した理念との関係で、端的に具体的に説明すべしということになっており、今、その要点を書き直しをしているところ。ご指摘のような形にしたいと思う。
2. 平成16事業年度事業報告について
平成16事業年度事業報告について説明があり、審議の結果、了承された。委員からの主な意見等は次のとおり。
当期総利益の発生原因は何か。
(損益計算書の経常利益と当期純利益の発生要因を基に説明。) 医業収益、設立時債権受贈益他の利益と、16年度債務償還経費の返済元本に対応する収益とそれに係る資産の減価償却費との差による損失が相殺されて当期総利益となっている。
病院以外の大学本体では、マイナスになっているということか。
大学本体でも黒字を計上している。
国立大学法人会計の特徴の一つに、長期借入金の返済元本対応収益と、対応資産減価償却費との差額が、損益に影響をもたらすという点がある。
病院はある種独立採算的な性格を持っているわけで、本来ならば、本体の方だけで、その収支バランスはどうなっているんだということが非常に重要な関心事ではないか。一番効いてくるのは人件費の読みと、それから自己収入、授業料と入学金等の読みと、この二つが読みどおりになったのかどうかということ。当初の予算とのずれがどの程度生じたかというのが一番重要な問題で、そこに病院を入れてしまうと、病院という特殊要因に引きずられて大学本体が見えない。
病院を有しない国立大学法人で数億円程度の剰余金を出し、その殆どが人件費というところもある。定員の不補充が原因。余剰人員を抱えているのではないか。教員を埋めなければ剰余金が発生し続ける。一方、病院がある大学は、このような剰余金が病院の赤字と相殺され、本質が見えなくなる面がある。結局、この剰余金は病院が頑張ったから黒字が出たということか。
セグメント情報の経常損益では、大学は黒字、病院は赤字を示している。
剰余金を目的積立金と認めてもらうためには、発生原因が自己努力である説明が必要。
今後、財務諸表は公開され、各大学が比較され、どの大学はどういう特徴をもって、どういう運営をしているかが、はっきりしてくるようになる。黒字が出ればもっと経費節減ができるのではないかと言われ、教員が充足されていないことの剰余金であれば、必要ないなら減らすとか、本当に必要なら早く補充してしまえというような問題を惹起することになる。他の事例で、費用と成果を示せという議論がある。今までのような対応では納得がもらえず、大学もこれにマッチしていかないといけない。こうして財務が公開されるようになってくると、国立大学の会計につきましても、どれだけ国が出して、どういう事業をやって、どういう成果を上げているかということをこの表で判るように示すべきだという議論が出てくる可能性がある。それに対応するために、どういう会計の処理をしていったらいいかということを、本気で国立大学全体でも考えなくてはいけない。各大学でどういう使い方になっているということを全部一覧表にするようなことになると、今までの大学運営でやっていたやり方を、抜本的に変える対応の仕方を考えないといけない。
企業のリストラは、大学にも通じ、人件費にくる。研究費は減らしたくない。大学も、教育研究費を減らすのは難しいので、人件費で浮かしてキープする傾向がある。教員定員を満たしてないと、大学が麻痺するというものではないが、教員は大学活動の根幹であり、構造的に教員の5%がいなくても教育研究が成り立てば、5%の教員が必要ないということになる。人件費を合算して、かなりの額が浮いているということになれば良くない。
文科省は、第1期中期目標期間中は、16年度に設定した運営交付金のルールは変えないと明言している。その中で経営努力したものは積み立てを認めると言っており、黒字は即カットではないと認識している。
文科省レベルの考え方も、公表後の文科省以外の評価が変わってきたとき、文科省がそれにどれだけ耐えられるかを考慮しておく必要がある。
増収は経営努力の結果と考えている。 (病院収入は) 14年度実績を基に、決められている。今後、2%の経営改善係数を乗じた収入を上げることについては、当面の17・18年度は凌げるが、19年度からはプランを立てないと大変になると考えている。
企業では利益が出ると喜ぶが、国立大学法人の場合、計画より実績が好成績をあげた場合、経営努力が認められないようであれば問題である。
他大学では多額の利益が上がっているという情報もある。これは単に一大学の問題ではなくて、国立大学法人制度そのものの問題ではないかという認識を持っている。
長期借入金の返済元本対応収益と、対応資産減価償却費との差額が、損益影響額であるというのは、国立大学法人化に伴うもので、16・17年度のみのことではないだろうか。決算の基準が未熟のような気がする。年度計画に合わせた基準が好ましい。
他大学の情報が出たが、これは継承資産の多寡が現れているのではないか。本学としては、経営努力によるものと説明できる材料をそろえることが必要。
剰余金を経営努力として認定するかどうかを、学部生と院生の定員充足状況のみにより認定すると聞いているが不安を感じている。全体の平均で認定されると信じているが、危惧している。
3. 平成18年度事業計画について

経営学部の夜間主コースの廃止、経営学研究科のMBAの充実を図っていくことなどについて説明があり、審議の結果、原案のとおり了承された。

4. 部局年次計画の重点事項について

平成17年度に立案する大学院拡充改組計画と教育研究に関する戦略的人員配置等について報告があった。委員からの主な意見等は次のとおり。

優秀な大学院生を確保、充足していくとのことだが、大学院生は実によく教員を見ている。あらゆる面でよく知っており、どこに誰がいるかも知っている。それに応えるために剰余金を利用し有能な教員を採用する必要がある。
将来本学がどのように進んでいくのか、選択と集中をやると批判や問題が噴出するが、意識の中でどこに重点を置き、他大学に比してどういう点でメリットを持っているか、共通認識を持ちながら対応されたい。これを怠ると、存在意義のない大学になるおそれがある。これらを考え、戦略的人員配置について討論を重ねていただきたい。是非、このような内容が重点事項に出来るよう、また、共通認識になることを望む。
任期制教員や特任教員を雇っていくような検討をお願いしたい。予算の削減を結果として定員削減に使うだけではモラルが下がる。
5. 外部資金の獲得状況について

外部資金の獲得状況について報告があった。

6. 国際交流推進本部の設置について

国際交流推進本部の設置について報告があった。

7. 育友会支部開設について

育友会支部開設について報告があった。

「神戸大学基金」について

「神戸大学基金」について説明を行い、今回の意見を基に、次回改めて検討することとした。委員からの主な意見等は次のとおり。

ポートアイランドで展開しているライフサイエンスやロボットの関係で、新しいものが出てきたとき、この資金という点では、地元の行政との連携は必要であるけれども、併せて、そういった基金の中で、長い目で見て対応があればいいのだが。
「神戸大学基金」とは別に、地元産業界及び自治体と大学が連携して動いて行きたい。プランニングから共同してできる体制を構築していかなければならないと感じている。
この基金を継続的に運営するということであれば、不特定の人が対象では難しい。過去の寄付の詳細はどうか。建物改修は良いとしても、持続的にするとなると難しい。組織を作らないで理念だけでは難しい。
90周年、100周年事業を実施し、多額の寄付を戴いている。過去に多くの寄付行為があったが、これらに充分応えているとは言えない。
90周年の時は、学長が責任者で、代表的な卒業生に顧問として協力願った。多くの社長とも出会った。早稲田大学でこのようなことに携わっておられる方が新聞に書かれていたが、会社から寄付することは株主総会などの対応も難しく、大変困っているということだった。そういう意味では、以前に比べて募金の確保は非常に難しくなったと思われる。
これからは、会員に自主的に寄付してもらうしかないと思われる。篤志家を目標に寄付を求めることになろうかと思われる。知財を証券化しその債権を取得するならば企業も出しやすいという話も聞いている。学校債も一つの案ではあるが利回りをどうするかなど難しい面もあるので、さしあたり一定年齢以上で将来の生活に余裕がある篤志家から寄付を戴くことの工夫も必要。
基金については、改めて時間をとって意見をいただきたい。
その他

今回の経営協議会から議事要旨を公表したい旨説明があり、了承された。