第6回経営協議会議事要録

日時
平成17年10月25日(火) 13時00分~16時00分
場所
神戸大学大学院国際協力研究科1階 大会議室
出席者
野上議長(学長)、鈴木委員、北村委員、守殿委員、西田委員、眞山委員、西島委員、坂本委員、高さき委員、天野委員、 河内委員、谷井委員、新野委員、はま委員
欠席者
井戸委員、井上委員、佐藤委員、水越委員、矢田委員
 
(オブザーバー) 赤塚監事、小西監事、川嶋学長補佐、中野学長補佐、冨田学長補佐
議事録について
第5回の経営協議会の議事要録について、事前にお送りし確認をいただき、これを役員会として確認をして神戸大学のホームページに公表している旨報告された。
議題

(○: 意見・質問、→: 回答)

1. 国立大学法人の平成16年度決算概要について

神戸大学の財務諸表については、前回、6月27日の本会議において配付、説明したが、その後、文部科学省が全89国立大学法人について取りまとめ、 報道発表した内容等について説明する。

神戸大学の財務諸表については、8月29日に文部科学大臣から承認の通知があった。国立大学法人全体の決算では、当期純利益が1,103億円で、 神戸大学は4億2,800万円であった。この利益の大部分は会計方式の変更によるものである。主な発生要因は、 未収授業料及び未収附属病院収入の平成15年度のものが16年度に入っていること。15年度末における医薬品や診療材料の在庫相当額及び国から承継された診療機器等の減価償却費相当額が利益に計上されたこと。 附属病院に関する借入金元金償還額と減価償却費の差、(普通の大学では減価償却費の方が小さくて借入金の償還額が多いが、本学の場合は逆に減価償却費が多いということで、 ここがマイナスになっている。) その他いろいろとある。

事前に質問があった、損益計算を大学と病院に分けた数字があるのかということについて、利益の主な発生要因は、今説明したとおりである。また、 前回の財務諸表 (21ページ) に病院と大学のセグメント情報 (損益計算) を記載している。

剰余金については、文部科学大臣が評価委員会の意見を聴取して財務大臣協議を経て目的積立金として承認を受けるということになっている。その条件は、簡単にいうと、 学生定員を85%以上充足しているというのが基準になっている。なお、経営努力が認められて剰余金が目的積立金となったとしても、実際はそれだけの現金があるかどうかは別の話である。 また、経営努力については、まだ認定の通知が来ていない。剰余金の使途については、直ちに特別なものに使うという計画はなく、当面は、できれば留保しておきたいと思っている。

国立大学の承継財産の評価が間違っているという会計検査院からの指摘については、承継財産の鑑定評価の基礎となっている国有財産の台帳の記載に問題があったということが大きな原因である。 本学では8億5,600万円、資本に追加修正を行った。

本学の財務諸表から読み取れる項目の要点だけ申し上げる。経常利益率がマイナスになっているが、会計方式の変更に伴う費用の増加、 先ほど少し申し上げた減価償却費の影響により損失が出ている。

診療経費比率 (診療収益と診療経費の比率) が高くなっている。これもまた減価償却費によるものだと判断している。 診療経費から減価償却費を差し引いた比率は他の大学と比較して差がない。

業務費用のうち研究経費にどれぐらい充てているかということについては、教員1人あたりの研究費を他の大学と比べると本学は低い。

教育経費との振り分けは、入力するときの判断によるので各大学ばらつきが少しあるかと思われる。研究経費は、ここには科学研究費補助金が含まれてないので、 これだけでは必ずしも多い少ないの判断はできないと思う。

国立大学法人等業務実施コストについては、神戸大学は338億6,900万円かかっている。学生1人当たりのコストも低くなっている。別の言い方をすれば、 財政的に同規模の大学と比較して学生数が多いということもいえる。

2. 人事院勧告について

国家公務員に対する平成17年度の人事院勧告が出された。平成17年度の給与改定と、平成18年4月以降の給与構造の基本的な見直しの2つの勧告となっている。17年度は、 基本給の0.3%減と、ボーナスの部分の0.05ケ月引き上げである。18年4月からは、地域ごとの民間給与水準の格差を踏まえて俸給水準を平均4.8%引き下げるというものと、 調整手当が地域手当に変わるという勧告になっている。地域手当については、本学に関係する部分では神戸市は4級地で10%、明石市は6級地で3%とされている。現在の調整手当は、 神戸市は10%、明石市については山下地区が10%、大久保地区が6%であり、これが3%へ引き下げられる。これ以外に加西市に農場、淡路島に内海域という施設があるので、 これらを適切に整理することが求められている。

人事院勧告に対する本学の基本的な対応方針について、次のような考えで臨んではどうかと考えておりご審議をいただきたい。

給与改定への対応に当たっては、人事院勧告に原則準拠するということ及び給与については、社会一般の情勢に適合したものとなるように定めなければならないということが法律で定められており、 また、本年9月の閣議決定で役職員の給与改定にあたっては、国家公務員の給与水準を十分考慮して適正な給与水準となるよう要請されている。

本学の現在の給与体系は、国家公務員の給与制度にほぼ準拠している状況にある。法人化に当たっての制度設計では国家公務員の俸給表をそのまま適用している。

こういうことを踏まえ、人事院勧告に原則準拠するという考えで臨んではどうか。

平成17年度の給与の引き下げは、最高裁判例が示した不利益不遡及の原則を考慮する。国家公務員の場合は、遡求をして4月から適用されるという仕組みであるが、 法人化され労働法が適用されるので、このように整理をしたわけである。

教育職俸給表が法人化に伴って国家公務員の俸給表から削除されており、これに類似するものが必要だということで国家公務員の俸給表に準拠したものが作成されているが、 そういったものを1つの指標とする。

運営費交付金については、当初5年間の算定ルールは、人事院勧告を直接反映させる仕組みとはなっておらず、 人事院勧告により俸給水準が引き下げられても運営費交付金は減額しないと文部科学省から説明を受けており、そのように私どもは受けとめている。

しかしながら、経済財政諮問会議において、総人件費の改革を考える上では、国家公務員でない国立大学法人も議論の対象に含めていくべきという意見が述べられており、 公務員の総人件費改革が国立大学法人の運営費交付金の削減につながる可能性が考えられ、人件費をめぐる状況は大変厳しいものがあるということを大学として認識をしておく必要があると考えている。

また、一方で18年度の概算要求シーリングにおいて、聖域なき3%カットという非常に厳しい状況があり、大学としてもこれを十分認識をしておく必要があると考えている。

3. 事務組織・人事制度デザインワーキングの検討状況について

事務組織の再編・整備及び事務業務改善について、早急に対処する必要性を認識しており、コンサルティングファームと共同の業務改善プロジェクトを立ち上げ対応を考えている。 特に学生、教員へのサポート業務の質的向上と、職員の活力向上という観点で抜本的に改善する必要がある。

プロジェクトから学長への答申は来年5月から7月を目途とし、しかるべき改善提案を実行していくこととしている。

諸手当制度の在り方も検討しており、教員にとってハードな業務及び責任の重さというものが加わってくるような付加業務に対して適切に対応していく必要があると考えている。

年俸制をとる特命職員制度を創設し、18年度から実施したいと準備している。特に外部資金を活用して一定の期間特定の名称を付した教職員の採用制度を確立する。

高齢者の雇用の安定等に関する法律の定めに基づく対応では、65歳までの雇用を求められている。事務職員は現在60歳、教員は63歳の定年である。 事務職員については早急に継続雇用のための手続に入りたいと考え、今検討を始めている。教員については、若干年限的に余裕があるが、検討を開始する段階である。

人事院勧告、あるいは将来の人事制度を見据えたときに問題となるのは、人件費の積算が将来的にどのようになるか、 16年度から21年度まで文部科学省積算額に対して大学の所要見込額がいくらであるか、その差額はどのぐらいあるかということである。不足額に対する対応策として、 いくつかのパターンを考えながら、引き続きこの人件費積算を的確に把握した上で人事制度そのものを設計していきたいと考えている。

取りあえず、第1期中期目標期間中の人件費の見込みについて推計した。積算額として、パターン1は効率化係数の1%分を順次毎年減じ、 パターン2は基本給4.8%減を5年間で順次運営費交付金に反映させてくるというような仮定をしたものである。

所要額の方でも、学長裁量枠分から効率化係数1%に相当する教員の7人分を毎年削減に充てると仮定したうえで2つのパターンを想定した。 パターン1は18年度以降の給与構造の改革を実施した場合、パターン2はこれをしなかった場合である。

この結果、計4パターンの幅で積算額に対する所要額は、平成21年度では10億8,000万円から28億4,000万円の範囲で不足が生じることになる。これはあくまで試算であるが、 先にご説明したように的確に把握するとともに、人事制度の制度設計とあわせて検討していきたい。

○ 運営費交付金が減らされ、不足が生じたところをどこから補充するつもりか。

○ 総費用に占める人件費比率は相当高く、運営費交付金は毎年1%ずつ少なくなっていく。その分は先生方の給料を下げるという訳にはいかない、 いわゆるトータルの費用でそれを下げていく検討努力が必要である。

→ 総費用の58%を占める人件費が増えると物件費が減るということになる。病院物件費は減らすことはできないので、通常の教育・研究にかかる費用、 光熱費も含めて減らさざるを得ない。

○ 全体の経費の中でこの1%をどう吸収するかという検討はされていると思う。

行き詰まったときに人を減らすということは、やはり適切ではない。経営内容、財務内容が明確になりつつあり、 トータルな費用も徹底的に見直していくことが今後の運営の中で必要ではないか。

神戸大学の場合、大学と附属病院があり、費用の4割が病院関係である。金額の面からすると非常に高いだけに、 一層努力をされることによってまだまだ運営の方法があるだろう。また、大学側も人件費の占める比率は高いが100%ではないので、 全体の今のコストを徹底的に詰めていく努力が必要ではないかと考える。トータルのコストを細かく詰めていくような努力を将来のためにしていただきたい。

→ 人件費をカットするのは最後の手段で、やらないといけないのは病院は収入増を図ること。病院は毎月の収入・支出をチェックして経営改善を図ろうとしている。

教育経費、研究経費の予算は削減せざるを得ない。しかし、最低限は要るわけで、一般管理経費はもう少し絞り込む余地があると考えている。

また、外部資金、いわゆる外部から取ってくる研究費や教育費を増すことに努力をしないといけない。 科学研究費補助金も産学連携経費も運営費交付金算定の枠外になっており、いくら取っても運営費交付金の算定には影響ないので、増やす努力をしてきている。

さらに、人件費を減らすということではないが、人員の配置を少し変え、お金を使うところを減らし、お金を取るところに人を増やすという配置の検討も始めたい。

○ 病院と大学を分けたセグメント別の財務管理の数字があるのか。つまり病院と一緒になると数字がわからない。病院は、利潤が上がって、 人を雇って診療報酬を上げた方がいいのではないか。大学予算全体の動きとは関係ない動きをする。増えた分の人件費、退職金の引き当て等の問題が有り、分けて考えないと、 全体の動きがよく見えなくなってしまうのではないかと思う。

人の数を減らす話で、1%の削減がかかってくる以上やむを得ない。空いたポストを埋めるときには各部局が自由に埋められるのか。 本部の方で人為的にコントロールしているのか。コントロールしないと、部局自治では人件費は減らない。コストが減って人件費が減らないということにもなりかねない。

大学分で平成17年度で約5億円ぐらい節約額が出ると、本当に黒字かどうかがわからない。要するに人件費を払わないで貯めている分がこれだけあり、 実は全然変わってないという話にもなりかねない。一体どこで黒字と称するものが生じているのか。

○ 本学として経営努力し、収入の増加と経費の削減等の努力がはっきりすると、学内の皆さん方の協力体制というか、認識もしっかりしてくるのではないか。

外部資金、その他の自己収入の積極的増加、付帯業務の実施による自己収入の積極的増加、知的財産権の有効活用、附属病院の業務改善、 指定業務の見直しによる経費の節減、メリハリのきいた支出等について (国立大学法人全般の) 説明があったが、これを本学ではどのように1年間やってきたのか、 何年間かの間にどうしようとしているのかという説明を、この次の機会に説明していただきたい。

→ 病院の財務と大学の財務を切り離した方がいいというのは、そのように思っている。その動きもしつつある。病院の会計システムをそのように改善をしている。ただし、 医学系研究科に所属している教員が臨床をしているが、そこの人件費の分け方を実は今決めかねていて、そこが一番今難点になっている。

→ 問題なのは、平成21年度までの毎年2%のシーリングという形で (収入) 計画をクリアできるのかということが一番問題になっており、 この11月に病院としての月次会計というものができ上がるようになる。月次会計に基づく平成21年度までの予測を立てて、厳しく将来予測をしたい。

それと14年度、15年度に病院の新築があり (収入) ベースが低い。幸いベースが低いため、19年度ぐらいまでは割と簡単に乗り切れる。問題は20年、21年度で、 いろいろな準備をしており、病院内で有期雇用の職員制度を導入し、マンパワーも増やせるようになっている。

○ この余剰金と剰余金がわからない。

神戸大学の経理がどうのこうのということではなくて、この法人会計制度そのものが非常に複雑怪奇でよくわからない。一体経営努力がどうで、 自由に使ってもいいものがどれだけか見当がつかない。ぜひ大学から、これではわからないということを文部科学省に強く言っていただきたい。

→ 人件費の推計に影響する教職員の年齢構成であるが、教員は、59歳、58歳、57歳、それから55歳ぐらいが1つの山で、40歳から45~46歳ぐらいまでが次の山。 事務系職員は、58、57、56歳あたりが大きな山で、来年あたりから第1期中期計画の終了する21年度までの間に団塊世代が比較的満遍なく辞めていく状況である。

→ 21年度までには、事務の方はピークを過ぎる、教員の方はその後ピークが来る。人件費は、教員の人件費の方がずっと多いわけで、 さらに不足が予想される。

11月からコンサルティングファームを入れ、まず事務の業務改善の徹底的見直しを図る。スローガンは「業務時間の3割削減」とし、合理化を図り、 どこに補充をするかということを業務を全部見直す中で考え、基本的な設計を18年度に行って地ならしをし、19年度から本格的に実施したいと考えている。

→ この経営協議会で、指摘いただいた財務内容改善取り組みについて、本学も相当努力しているが、その内容をきちんと表明し、 どこに力点を置くべきかという指導をいただくようにしたい。

人事院勧告に対する本学の基本的な対応方針については、ご了解いただけるということでよろしいでしょうか。

○ 異議なし

→ 事務組織・人事制度デザインワーキンググループの検討状況のとおり、業務内容の見直し等の方策を進めたいと思います。よろしいでしょうか。

○ 異議なし

4. 国立大学法人評価委員会の評価結果について

→ 法人評価は、年度評価、中間評価、最終評価がある。平成16事業年度に係る業務の実績に関する報告書 (年度計画) を6月末に法人評価委員会の方に提出し、7月20日ヒアリング、9月1日前後にその原案が提示され、最終的に9月16日にこの評価結果が届いた。

全体評価として、「国際性豊かな教育の実現」という目標は明確で、それに沿った改革への取り組みが意欲的に行われているとの評価である。

業務運営の改善及び効率化に関し、年度計画に設定された各項目について、5段階で自己点検評価している。大体計画どおりであれば3、 上回っていれば4と評価結果を付し法人評価委員会の方に提出している。

業務運営の改善及び効率化に関する評価結果は、全体として進行状況は計画どおりに進んでいると判断されるという評価結果になっている。

先ほどから問題になっている財務内容の改善について、進行状況は計画どおり進んでいると判断されるという評価結果になっている。

自己点検・評価及び情報提供についても計画どおり進んでいる。

その他業務運営に関する重要事項について、計画どおり進んでいるということになっている。

教育研究等の質の向上については年度評価に我々の5段階のグレード別評価は求められていない。したがって、 進行状況等を文書の形で記載し評価結果が出されている。

我々が業務運営の改善から財務内容、自己点検、その他業務運営に関し本学の自己評価を、そのまま受け入れた形でこの評価結果が出されている。

要するに基本的に計画どおり進捗しており、16年度については特に問題はなかったということになる。

各国立大学法人でこういう実績報告書を作成し、提出して、法人評価委員会の方で特筆すべき事項を、どういう特徴があるかというものをピックアップした事例が公表されている。 神戸大学は一つだけで、海外から外国人研究者を学外理事として招聘したということで、これは17年度からは理事の構成が変わりなくなった。 我々としてはやはりどういう形で取り上げられるか、報告書の作成等についても検討すべきことが多い。

評価結果に今後どう対応すべきかということを、今後こういう形でやりたい、考える範囲でとりあえず当面は、こういう形でした方が望ましいという点についての対応をここに記載している。

特色ある取り組みでいろんな大学で事例が挙げられている。それに見合った類似の取り組みは我々としても行っているが、 残念ながら取り上げられなかったということである。まじめには書いたが、ちょっとインパクトに欠けていたのかなということである。 次年度以降年度評価に対しては、具体的な各部局からの情報の吸い上げ、企業で言うインベスターズリレーションズといいますか、IR、 あるいはパブリックリレーションズの一環として、そういうことを認識しながら作成していきたい。それが反省点である。

→ 業務改善プロジェクトで業務内容の改善を図っている。大学として国立大学法人になる前に立てた中期目標・計画があるが、 それ以後大幅な環境変化が起きている。私ども神戸大学のビジョンといったものをもう一度きちっと把握し直して、全学を挙げて神戸大学の進むべき方向というのを明解にしようということで、 このビジョンプロジェクトというのを立ち上げて今検討を開始している。

今後、「大学の中期目標・計画を評価する」「大学としての認証を受ける」「教育研究目標に対応する」というフォローアップ的な対応もある。 神戸大学はどうあるべきかということで、ビジョンプロジェクトを立ち上げ、大学の在り方そのものを厳しく、外部からのコンサルティングファームのサポートを得ながら進めたい。

それから、外国人教員、研究者をより柔軟に雇用する特命職員制度の創設を検討をしている。その他運営に関する重要事項で、今年度、育友会支部というものを設置して、 東京、名古屋、広島で支部、保護者の会を設け意見交換を実施した。保護者から、今後それをさらに展開するように、必要とあれば資金的な支援もしたいというコメントもいただいている。

○ 評価委員を委嘱され評価をした。評価委員の間でも議論があり、初年度なので良いことをやっているところを誉めてあげるようなやり方で、評価書ができた。

新しい組織を作ったり、新しい制度を作ったり、プロジェクトを立ち上げたりしている。その実績を必ず問われるときが来ると思う。 来年度以降どのようにされるかということを、先まで見通して作成されると良い。

中期目標・中期計画に大学が縛られている。新しいことがあまりできない。東京大学がアクションプランのようなものを考えている。 重点的に何をやるのかということを考えないと、全部していたのでは大学が持たない。プロジェクトにコストがかかるのか、見通しはある程度持っていかないと、 どこかで行き詰まるのではないか。

→ 第1期中期計画を終了するまでに大変厳しい状況になってしまうという認識があって、ビジョンプロジェクトというものを立ち上げた次第である。 これについては各委員に具体的にご示唆をいただきたいと思うので、よろしくお願いしたい。

5. 「神戸大学の未来創生基金 (仮称)」について

→ 厳しい環境下で神戸大学が世界最高レベルの教育研究機関を目指して成長しようとすると、やはり基金といったものの創設は不可欠であるというふうに考える。

本学が国際社会、地域社会に貢献することを実現するために、国際交流支援、学生支援、研究支援、施設整備等をより着実に行うための安定的資金を確保する 「神戸大学未来創生基金」を創設するという考え方について、様々な角度から意見をいただきたい。目標としては、創立110周年を目途に寄付金を募ることを考えている。

組織は、年内に「神戸大学未来創生基金 (仮称) 室」を設置したい。学長が代表となり、責任ある者をここに据えて機動的な運営にしたい。

事業は、一般事業と特別事業を、一般事業は、国際交流促進事業、学生・若手研究者の海外留学支援、学生の就職・インターンシップ活動支援、奨学金支援、 体育会運動部・文化部・サークルへの強化・活動支援、出版助成、基礎分野・成果の見えにくい分野への支援を含む教育研究支援、産学官民連携支援、建物・施設の拡充支援、 それから同窓会活動の支援を目指そうと考えている。

特別事業は、「神戸における外国人研究者コミュニティ構築」事業を考えている。

→ 神戸は、デフレの影響、震災の影響が長らく地元経済に影を落としてきたが、それも抜け出す目途がついてきた段階になった。 今後一体神戸はどんな方向に行くのかを考えたとき、1つの方向性として、多様な知識だとか人材が交流する「国際都市神戸の復活」というのが出てくるのではないか。

兵庫県とか神戸市の今後の重点施策の中に、言葉、表現は違うけれども、今いったようなことがうたわれており、行政もそんな方向を模索したい状況になっている。 大学の研究者や留学生に加えて神戸の医療産業都市には外国人研究者が徐々に集い始めている。

ところが来訪者の目から見ると、神戸は海・山の自然、教育や宗教の各施設、病院など住環境には恵まれているが、自分たちのコミュニティーがないのが最大の悩み、 共通の悩みであるとわかってきた。

将来の神戸を先取りする流れ、他都市との差別化戦略の柱に据えるいうことで、彼らのコミュニティーを作ってはどうかという提言を、市政、 県政の要望書の中に神戸商工会議所、あるいは兵庫県商工会議所連合会として出したのがスタートである。

学内でいろいろな議論をしても、神戸大学も今後の国際化戦略の中で良質な留学生だとか研究者を呼んでくるためには、何かそのようなものが欲しいなという強い希望があるということがわかり、 県下の関心のある大学を巻き込んで行政も一緒になって、検討会を始めようと、こういう動きに今踏み出しつつある。

当面は神戸商工会議所と神戸大学が旗振り役を務めなければならない。無コストの基金でこのプロジェクトを行う必要がある。

→ 「神戸における外国人研究者コミュニティ構築」をやることによって、海外からの資金調達のフレームをつくることができるのではないか。 他大学の基金の作り方とはちょっと違う趣をこれに持たすことによっての可能性を探ることができるのではないかということがある。

東京大学の例を参考にして、神戸大学としての特色ある組織体制、本学ができる組織体制を考えたい。

→ これは極めて特定目的の基金で、役員会でまだ未調整であるが、ご意見をいただきたい。

○ 既に東京大学が、非常に具体的になっている。金額がはっきりしているということである。神戸大学も自ら財源を努力して生み出していくことは、 当然だろうと思う。企業に寄附してくださいということでは、能がない。神戸大学は違うなと、同じ目的で使うにしても、説得力を皆さんで考えられることが必要ではないか。

○ 一般事業と特別事業とのリンクが非常に難しいなと思うけれども、地域との連携、他大学との連携、民と行政も含んだ一体感というのは、 他の大学では絶対できないことではないかというような気がしている。

一般事業の中で国際というイメージを持っているもの、国際交流事業、海外留学、それから留学生への奨学金の支援という、 国際をキーワードにすると方向性が見えてくるのではないかと思う。

それともう1つ、目的を非常に明確にしたネーミングの方がいいのではないか。「創生」は、新鮮さがないのでは。

○ まず誰がお金を出すかという問題で、教職員一丸となって数億円集めたとか、そういう誘い水がないと難しいのではないか。大学自体が頑張って同窓会にも働きかけ、 まず大学自身がやって、それから企業に働きかける。ある大学は、名誉教授にまで働きかけて基金をまず募集してやっている。 そういうことから着手していくと大学が努力しているというのがわかっていいのではないか。

→ 年内に私を中心として学内の事務体制を整え、皆さま方に個別にご相談をさせていただき、アイデアをいただき、 実働部隊の企画とかといったことにコミットいただく人物についてご意見もいただきたい。

○ 今は利子で動かすことがほとんど不可能で、そうすると初めから取り崩すことを前提として行うのかどうかということもある。

コミュニティーをつくるというのは、すぐ始められることで、実は岡崎の場合にはホームステイをしてくれる家庭の連盟がある。 申し込みがあると割り振りを市役所でやってくれる。あの人たちが求めているのは、日本人のコミュニティーの中にどう溶け込むかということ。 それを大学の周りでお始めになるということもあるのではないか。

→ 基金を集めるだけではない。ある目的のためにお金を寄贈してくださる方がおられ、そういうものはもっと積極的に開拓する。基金室というのは、 そういうものを幾つ開発するかということが非常に大きい。目的別の使い切り資金というものを積極的に集めないと事業展開ができないので、それもこの基金室において、 当然やらなければならないと思っている。

○  実は百周年を目標にしたが、神戸大学の卒業生で社長さんが、この時期に一番最高の数になるので、そこで九十周年で集めようかということにした。 その時は先ほど指摘があったが、大学自身でどれくらい集めるか考え、教授で10万円ぐらいお願いしたと思う。少なくとも皆にお願いをして、寄付金集めをさせていただいて、 我々でこれだけを今集めておりますと言いながらやった。

同窓会からは、後援会をつくり、後援会の方でみんな努力をしてもらう集め方をした。

今度は国立大学法人化をきっかけに寄付金集めをしようということをアピールするとしたら、説得力がない。特徴のあるアピールの仕方が要るのではないか。 東京大学は「全世界の大学の評価の中で10位内に入っている」と、全国にアピールしようという計画でやっている。

何か特徴づけが要るのではないか、金額の目標額の設定と、それから創生基金というような形だけでなくて、もうちょっと切実で、 なるほどというネーミングの設定も考えてはどうか。

企業は、お金を出すことが難しい状況になっている。景気状況の問題と株主総会のいろんな意見に説得できるような内容にしておかなくてはいけない。

神戸大学でいくらを目標にするかによるけれども、どれくらい集められる可能性があるか計算して当たらないと、業績の上げ方ではまた評価が悪くなる。 目標設定については着実に考えていただきたい。

「神戸における外国人研究者コミュニティ構築」の計画は、近隣の大学に呼びかけると、それは基金を集めることで呼びかけられるのか、 ただ運営について参画をしようとなさるのか、それでこちらの基金の使い方も違ってくる。その辺のところをもう少し工夫をしないといけないのではないか。 国際化というネーミングに力点を置いて考えると、一つのテーマになると思う。

学長が判断されたのなら、事務室を開設されたらいいのではないか。今の状況で本当に集めようと思ったら、 具体的にどれだけなら集まるかなというのを内々お話し合いになって、そして案を進めていただくことが必要だと思う。

→ 私の説明が言葉足らずであったが、基金の集め方について、他大学と一緒にやろうという考えは全くない。基金の集め方については、 依頼先企業に何人卒業生がいるというようなことも大きなファクターで、日頃のお付き合いというのも結構大事である。例えば財務面の主力は、保険は、物品の購入の窓口は、 いろんな日頃のお付き合いという切り口で対象先を掘り出すということも極めて大事ではないかというように思う。

留学生のインターンシップという切り口でも企業との接点を今図りつつある。インターンシップを受け入れてもらうと同時に、 将来の基金のときに話ができる環境づくりをしている。

→ 今日はこれで結論というよりも、私自身、学外委員の方々のところにまた日を改めてご相談に行かせていただきたい。 支援をいただきながら具体に動かしたいと思うので、よろしくお願いしたい。

6. 監査規則について

→ 監査の独立性を保つ観点から、監査室を学長直属の組織にすべきであるということから所要の改正をする。

報告事項

→ 神戸大学連携創造本部、産学官民連携フォーラム2005及びEUインスティテュート関西について報告があった。

→ この機会に少し補足いただいたり、あるいはご注意いただくことがあればいただければと思う。

→ 剰余金がどこから出てきたかについては、16年度は移行に伴う特殊要因から出てきたというのが正直なところで、 自助努力による部分がなかなか計算ができないというのが実情である。国から承継した資産の減価償却費の関係で、赤字を当初見込んでおったわけで、 その差し引き4億円が残ったということではないか。

17年度以降は剰余金がどこから出てきたのか、企業会計的な視点からきっちりと計算をする必要があると思っている。

病院は専属の公認会計士を入れて、病院会計の分析、今後の見通しをやっている。月次決算、損益を月次でチェックし、 しっかりとフォローしていけばいいのではないかと思っている。

その他に大学部分でも中期損益見通しでマイナスがついているけれども、結局物件費にしわ寄せするということになるが、 経営努力で財源を捻出していかないといけないと考えている。全くノーリスクで改革の実を上げようと思っても、難しいと思っている。 「変えないことのリスク」の大きさをしっかりと認識したい。

○ 最後は外からお金を取ってくるということではなくて、中でお金の配分の仕方をどう変えるかということになる。

積算ベースで各部局の既得権益を残したやり方はやっていけなくなる。法人化によって新しく生じたコスト、部局が使っているお金はどういう再配分するのか、 あるいは教育研究経費、人件費、物件費がだんだん厳しくなっていく中でどうして確保するのか。その辺がこれから難しい問題になるのではないかと思っている。

→ 従来のままでは、いずれ立ち行かなくなることは認識している。

ただ、非常にリスキーなやり方は、今の体制でできるのか危惧している。

○ 1年目は新しいフォームに基づいて文部科学省にも報告しないといけないし、それに基づいて1年間の事業を進めていった。

報告しないといけない、考えないといけないという中での1年間だったと思うが、だんだん具体的に2年、3年ということになっていくと、事業計画とその実行した結果、 実績、そしてその評価を繰り返していく中で精度が上がっていく。その中で大学運営というか、大学経営の課題問題、そういうものもクリアになってくる。このバランスをどうするか、 神戸大学として1つのビジョンなり、方向なりとの相関というものがはっきりしていくと思う。

具体的な事業計画が客観的な評価につながっていくと考えられ、そこに問題が出てきて、次にまた計画があるということで我々の組織の前進があるのではないかと感じている。

→ 今日はどうもありがとうございました。