『Support Vector Machines for Pattern Classification』

Support Vector Machines for Pattern Classification, 2nd ed.

サポートベクトルマシン (SVM) はVapnikらが開発したパターン認識の方式である。収集したデータを用いてSVMを構築することにより、 未知のデータに対して高い認識能力を実現するとして注目を集め、 国内外で理論研究と応用展開が活発に進められている。

SVM研究は大きな広がりを見せているが、 2005年に出版された第1版では、 国内外における研究動向に筆者の研究室における研究成果を織り交ぜて、 特にSVMをいかにしてパターン認識に適用するかを中心に述べた。 本書 (第2版) では、これに加えて2005年以降の研究成果を反映している。 本書の主な特徴は以下に要約される。

(1) SVMではもともと2つのカテゴリーを分類する2クラス認識問題に対して定義されているが、2クラスSVMの性質を理論的に詳細に説明することにより、 2クラスSVMの仕組み、特徴を容易に把握できるようにしている。

(2) パターン認識問題では、多クラス問題をいかに扱うかが重要であり、多クラスを実現するいくつかのSVMのモデルを解説すると共に、多クラスSVMで問題となる分類不能領域を解消する方式を述べている。

(3) 手書き数字データ、衛星画像データ、血球データ等の実際のパターン認識問題から収集したデータを用いて認識能力の比較を行い、いくつかのSVMのモデルの利点と欠点を明らかにしている。これによりどのモデルを選べばよいかの指針となる。

本書がパターン認識の分野でのSVMの理論の発展および応用展開に少しでも役に立つことを願ってやまない。

(大学院工学研究科教授・阿部重夫)