『講座国際人権法3 国際人権法の国内的実施』 『講座国際人権法4 国際人権法の国際的実施』

『講座国際人権法4 国際人権法の国際的実施』 『講座国際人権法3 国際人権法の国内的実施』

国際人権法学会20周年の記念事業として刊行された『講座国際人権法』第3巻と第4巻は、2006年11月に刊行された第1巻と第2巻が国際人権規範の形成と展開という規範内容に重点を置いていたので、より広く今日的要請に応えられるものとして、国際人権規範の実施に焦点を当てることとした。第3巻『国際人権法の国内的実施』は、国際人権法の国内実施に伴う理論的課題とともに、日本における実施に関する実務上の課題を析出することを目的としている。収録された論文を読めば、日本における国際人権法の国内実施の現状をご理解いただけるものと思う。第4巻『国際人権法の国際的実施』は、国連における人権理事会の創設と普遍的定期審査 (UPR) の実施、社会権規約における個人通報制度の導入、国際刑事裁判所の始動など発展を続ける国際人権法の国際実施をめぐる現状と課題を分析することを目的としている。国連の条約機関の委員やカンボジア特別法廷の裁判官として活躍された、また、現在活躍されている執筆者を得て、国際人権法の国際実施の仕組みと現状につき、最新の知見を得ることが可能の内容になっている。

個人通報制度を定めた国際人権規約自由権規約の第1選択議定書や女性差別撤廃条約の選択議定書などの批准のための作業が関係省庁で始まるという節目の年に、国際人権法の実施に関する『講座国際人権法』第3巻と第4巻を発刊できたことは、大いに意義深いものと自負している。

(大学院法学研究科教授・坂元茂樹)