『ハンドブック経営学』

『ハンドブック経営学』

経営学は、実践的な学問分野であり、その使命として、理論的でありながらも、経営に役立つことを、常に目指してきた。思えば、学理と実際の融合というのは、神戸大学の建学依頼の理念であった。

経営に役立つと学問というのは、CEO (最高経営責任者) やゼネラル・マネジャー (事業経営責任者) などの経営者、経営人材のためだけに存在するのではない。研究開発、生産、販売・マーケティング、財務、経理、人事、経営企画などの多様な専門職人材にも、役立つ理論的概念を実践的に学び活かしてほしい。

経営についてなにかもっと知りたいと思うたびに、本書で該当する章を開き、「経営学があるおかげで、現実がより適切に捉えられるようになり、また、自分や職場や会社や日本の産業界を元気にするのに役立った」と言ってもらうのが、本書の執筆者一同の理想である。

このハンドブックの構成は、第I部から第IX部まで、合計27章で成り立っている。目次にご覧のとおり、多様なテーマをカバーする経営学であるが、われわれは「よい理論ほど実践的なものはない」というK・レヴィンの願いを共有しているし、この願いは、先に上げた神戸大学の建学の趣旨にも適合するものである。『ハンドブック経営学』が、神戸大学の在学生、同窓生の座右の書となり、在学生と同窓生を越え全国の人たちに拡がっていくことを祈りたい。

(経営学研究科教授・金井壽宏)