『牛と農村の近代史‐‐家畜預託慣行の研究』

『牛と農村の近代史ー家畜預託慣行の研究』

明治以降の近代化のなかで発展から取り残された中国山地。そこでは前近代的ベールに包まれた家畜預託慣行が急激に拡大していた。本書は、牛を介して取り結ばれる人々の社会関係を明らかにし、それが近代農村で果たした歴史的意義を解明する。そして歴史の片隅へ押し流されながらも、地域社会の調和と共存のために努めた名もなき農民群像を描く。いうなれば、進歩のかげで退歩しつつあるものを見定めた宮本民俗学に共鳴する社会経済史である。

 

(人文学研究科・特命講師 板垣貴志)

2014年1月10日