【施設探検隊】vol.1 《貴賓室ってナニ?》

2015年08月28日

学内の気になる場所を学生広報ボランティアが“施設探検隊”として紹介していくこの企画。その記念すべき第一弾として、六甲台本館2階にある『貴賓室』を紹介します!

現在、貴賓室は先生方の会議や、海外からの著名な来客との会議、外部講師の控室として利用され、学生には馴染みのない部屋です。開かずの扉の向こうはどうなっているのか?貴賓室の歴史について、大学の歴史に詳しい大学文書史料室の野邑理栄子さんに話を伺いました。

貴賓室は六甲台本館が竣工した1932(昭和7)年に神戸商業大学本館貴賓室として設置されました。当時は特別な来賓をお迎えする部屋という意味合いが強く、官立大学助教授の最高年俸が2,770円であった当時に2,988円もする高級な絨毯が敷かれており、学内で一番贅沢な部屋でした。そのため、学生はもちろん教員であっても気軽に入室することはできませんでした。では、当時どのような方が利用されていたのか。現存する記録をひもとくと、1940(昭和15)年4月に昭和天皇の弟である高松宮宣仁(のぶひと)親王が来校された際、貴賓室でご休息をとられたそうです。特別な部屋であったことが伺えますね。

部屋に入ると、大きな壁画があります。これは一体・・・?

神戸高等商業学校の卒業生である中山正實(まさみ)氏によって1927(昭和2)年に描かれた壁画「古都礼讃」(第8回帝展入選作品)です。イタリア・ヴェネツィアのサン・マルコ広場に集まった人々が思い思いに安息を楽しんでいる様子が描かれています。学内には彼の壁画作品が3つ飾られていますが、最初に描かれたのが貴賓室の壁画。本館竣工前の1931(昭和6)年に寄贈され、貴賓室で神戸大学の歴史を見守ってきました。他の2つの壁画(社会科学系図書館壁画「青春」と出光佐三記念六甲台講堂壁画「富士」「光明」「雄図」)は学生に向けたメッセージが込められているのに対し、貴賓室の壁画は来賓の方々にゆったりと楽しんでもらうための絵であるという特徴があります。
貴賓室は現在に至るまで改修が加えられていますが、基本的な作りは昔と変わっておらず、椅子などの一部の調度品は現在も使われており、当時の趣が受け継がれています。時代の流れとともに姿を変えるものが多い中で、かつての趣を残す貴賓室は貴重な部屋ですね。

皇族など特別な来賓のみが利用していた昔に比べ、現在は先生方も気軽に使えるようになり開放されてきてはいますが、管轄部署の担当者曰く、「今後も学生や一般の方に向けて公開する予定はない」とのこと。

では、貴賓室は見られないのか・・・?そんなことはありません!

なんと、現在公開中の映画『日本のいちばん長い日』で貴賓室がロケ地の1つとして使用されています。貴賓室が気になる!という方は是非映画を観に行かれてみては!?

(総務部広報課、学生広報ボランティア)