【施設探検隊】vol.6 《兼松記念館ってナニ?》

2016年11月25日

皆さんは、現在放送されているNHK朝の連続テレビ小説「べっぴんさん」に神戸大学の建物が登場していることをご存知ですか?今回は、ロケ地として使われた六甲台キャンパスの登録有形文化財「兼松記念館(経済経営研究所)」とはどのような歴史を持つのか、大学文書史料室の野邑理栄子さんに話を伺いました。

現在六甲台にある兼松記念館は、実は新築移転した2代目の建物です。元々の初代兼松記念館は、1920(大正9) 年、当時は王子動物園のすぐ隣、現在の神戸市立葺合高等学校の場所にあった旧制神戸高等商業学校(神戸大学の前身)に竣工しました。日豪貿易の先駆者であり、公共事業に尽力した兼松房治郎の七回忌の記念として、兼松商店の有志による兼松翁記念会から寄付されたこの初代記念館は、当初神戸高等商業学校商業研究所の研究施設として使われました。その後、神戸商業大学へと昇格したときに移転することになり、兼松記念館も神戸商業大学商業研究所として1934(昭和9) 年、六甲台へと移されました。これが現在の2代目兼松記念館です。現在も玄関横には、旧記念館から受け継がれた定礎の碑が置かれており、上部の門標も、水島銕也初代校長によって書かれた旧記念館のものがそのまま使われています。

大学関係者でも普段は出入りすることがないという記念室(左上写真参照)は兼松記念館2階中央にあり、重厚で美しく、壁には兼松房治郎の肖像画(オーストラリア人画家 Norman Carter作)が飾られています。ソファーや凝ったデザインの絨毯など、他の研究室や教室とはまったく違った雰囲気…。竣工当時の写真を見ると、記念室のカーテンには2匹の蛇が杖に絡みついた絵が描かれています。これはギリシャ神話の商売の神ヘルメス(後のローマ神話ではマーキュリー)が持つ杖を表しており、当時商業大学であったということを強調するものとなっていたそうです。建物全体は当時の文部省が設計したもので、ヨーロッパ中期の優雅で柔らかなロマネスク様式が使われています。室内は天井が高く作られていて、窓がアーチ型に作られていたり階段ホールに市松模様のおしゃれなタイルが施されていたりと、威厳と気品あふれるデザインは見ていて全く飽きません。

そして2003 (平成15) 年、国登録有形文化財に登録されました。
現在は経済経営研究所が置かれ、法学研究科、経済学研究科、経営学研究科及び経済経営研究所の教員の研究室があるほか、2014(平成26)年に情報処理学会により分散コンピューター博物館として認定された経営機械化展示室などがあります。 記念室は年に数回、重要な会議や懇談会などの催しの際に使用されるとのこと。

このように格調高い建物なだけあって、兼松記念館は『べっぴんさん』以外にもロケ地として使われています。昨年公開された映画『日本のいちばん長い日』では、天皇陛下の玉座を置いてロケが行われ、さらに今年12月公開の映画『海賊とよばれた男』では、モデルとなった神戸大学ゆかりの人である出光佐三氏にちなんで、この記念館で撮影が行われました。普段見ている神戸大学の一風変わった一面を、映画で探してみるのもおもしろいのではないでしょうか。


○取材を担当した学生のコメント:


経営学部2年 林田 彩
「普段は見ることのできない記念室に入ることができ、その重厚な造りにとても感動しました。映画『海賊と呼ばれた男』も見に行こうと思います」

国際文化学部2年 二見 麻乃
「キャンパス内の他の建物とは一風変わった記念室でお話を聞かせていただき、とても貴重な体験になりました。記念館の歴史を知ったうえで、ロケ地に使われている映画やドラマをもう一度見てみたいと思います」

(総務部広報課、学生広報チーム)