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ゆで卵が浮く現象を西岡俊久教授らが検証に成功しました

コンピュータシミュレーション図中右上に回転開始からの時間を示す。単位はmsec(1/1000)秒

「ゆで卵 (卵形物体) を毎秒30回転以上させた場合、重力に反して宙に浮く」――慶應義塾大学の下村裕教授らが予測した不思議な現象を、神戸大学海事科学部西岡俊久教授らのグループがコンピュータシミュレーションと実験的検証の両方で成功しました。

この不思議な現象は、下村教授と英ケンブリッジ大学のキース・モファット教授 (応用数学) が厳密な数学的解析で予測し、今年5月発行の英王立協会紀要に発表しています。それによると、テーブルの上でゆで卵を高速で回転させると、重心が上がり起きあがります。その速さを毎秒30回転以上にすると振動の力が一時的に重力と等しくなり、回転軸が45度前後になったとき、わずかに卵が宙に浮くというのです。理論では浮く高さは最大約0.1ミリ、浮上時間は0.02秒以下という結果が出ています。朝日新聞5月20日、毎日新聞6月1日でも紹介されました。

精密な検証実験は難しいという報道に、海事科学部構造強度シミュレーション工学研究室の西岡教授らは 「Project Eggs」と命名し、学生たちを鼓舞して挑みました。コンピュータシミュレーションでは、 同研究室で動的破壊研究に応用が進んでいる動的有限要素法を用いて、卵を約4000個の要素に分割し、これらを再集合した卵全体の数値モデルの運動方程式を約百万分の一秒毎に数値的に時々刻々解き、その挙動を明らかにしたのです。このシミュレーション結果を動画化し、浮上の様相を確認するとともに、卵とテーブル間の作用力、反作用力および接触面積を計算し、これらがゼロにとなることから卵がテーブルから離れている様相を解明しました。また、シミュレーションによると、先の尖った洋梨型の物体も同様に毎秒30回転以上させた場合、重力に反して宙に浮く現象も観察されています。

また、ほとんど不可能とされていた実験的検証についても、超高速度の動的破壊研究のため同研究室が開発し、現有している世界最先進のアルゴンパルスレーザー連動超高速度ビデオカメラシステム (最高撮影速度100万コマ/秒、撮影コマ数102コマ<各コマ約8万画素> 、各コマ最小露光時間約10ナノ秒) を用いて、卵の空中浮上の様相の撮影にも成功しました。

なお、同研究室に現有の世界最先進アルゴンパルスレーザー連動超高速度ビデオカメラシステムについては同研究室HP (http://simlab.kaiyou.kshosen.ac.jp/)をご参照ください。

たまごとテーブルが接触する面の反力と時間の関係

上図はたまごとテーブルが接触する面の反力と時間の関係を示す。

下図はたまごとテーブルが接触する面の面積と時間の関係を示す。

両図から、接触面の反力および面積がともにゼロになっている時間があることがわかる。

これらより、たまごがテーブルから離れていることがわかる。

たまごとテーブルが接触する面の面積と時間の関係

Project eggs 実験的検証

次の写真が卵が浮いていると思われる写真である。また、今回使用した卵は約65gである。回転数を上げる為、卵にペイントを施してある (マジックで塗る)。回転数はこの画像からは分からないが30回転以上は出ていると思われる。また、下の写真の右下に表記してある数字は撮影開始からの経過時間で、単位はµsecである (µsecとは百万分の一秒である)。浮上時間は約0.02秒と慶応大学の下村教授が数式から導き出したものと一致している。

0300000µsec 0308000µsec
0316000µsec 0320000µsec
(海事科学部教授・西岡俊久)

問い合わせは

〒 658-0022 神戸市東灘区深江南町 5-1-1

神戸大学海事科学部

海洋機械工学講座 構造強度シミュレーション工学研究室

秘書 蔭山 映子

TEL: 078-431-6282 FAX: 078-431-6282

E-mail: kageyama@maritime.kobe-u. ac.jp
 
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