
神戸大学理学研究科のパトリック ソフィア リカフィカ (Patryk S. Lykawka) 研究員 (写真左) と向井正教授 (惑星科学研究センター長、写真右) は、太陽系外縁部の理論的な研究から、 地球の0.3-0.7倍程度の質量を持つ未知の惑星クラスの天体が存在している可能性が高いことを見いだしました。 大規模なサーベイが開始されると、この惑星は10年を待たずに発見される可能性があるとしています。
1992年に最初の太陽系外縁天体が発見されて以降、 2007年6月段階で1100個を超す太陽系外縁天体がみつかり、 それらの軌道分布の特徴が明らかになってきた。その大きな特徴として、 これらの天体の中には、通常の惑星形成理論から予想されるよりも、 大きな離心率や大きな軌道傾斜角を持っているものが存在する。 こうした太陽系外縁天体の軌道分布の特徴をすべて矛盾なく説明するには、海王星軌道の外側に、 未知の惑星クラスの天体の存在を仮定することがもっとも自然であると考え、 太陽系外縁天体群の軌道進化の数値シミュレーションを、惑星系が生まれてからの40億年にわたって実行した。

(Image credit: Patryk Sofia Lykawka - Kobe University)
その結果、予想される未知の天体の軌道は、 近日点距離が80天文単位※以上、軌道長半径は100-175天文単位、軌道傾斜角20-40度となった。またその質量は、 地球の質量の0.3-0.7倍である。この惑星が近日点付近にあるとすると、 その明るさは14.8-17.3等と見積もられ、現在計画されている大規模サーベイが始まれば、 発見されるはずである。また、この大きさであれば、現在の定義でも発見後、新しく「惑星」に分類される可能性が高い。

仮想「新惑星」の想像図。水を主成分とする氷でできた天体であろう。右手のぼんやりと明るいのが太陽。
(Image credit: Fernando D'Andrea - Southlogic Studios)
(この成果は2008年2月27日、国立天文台での記者会見で発表されました。 4月発行のアメリカの天文学専門誌「Astronomical Journal」 誌に掲載される予定です。詳しくは「惑星科学研究センター」のサイトをご覧下さい。)
