【式辞】平成26年度入学式 式辞

2014年04月08日

新入生の皆さん神戸大学入学おめでとうございます。ご列席いただいております保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。神戸大学の全構成員を代表して、入学のお祝いを申し上げます。

この春、神戸大学には学部に2,610名、大学院博士課程の前期課程に1,274名、博士後期課程に312名、法科大学院と経営学専門職学位課程に149名、編入学生として142名の皆さんが入学しました。神戸大学長として多くの新入生を迎えることを嬉しく思っています。

さて、神戸大学は誇るべき数多くの特徴や魅力を有しています。その、いくつかを紹介します。一つ目は、全国有数の規模を誇る大学であるという点です。

神戸大学は、11の学部と14の大学院、法学と経営学の二つの専門職大学院、経済経営研究所、自然科学系先端融合研究環、社会科学系教育研究府、統合研究拠点、日欧連携教育府、医学部附属病院、さらに多くの教育研究に携わるセンター群と複数の図書館で構成された総合大学です。教員数約1,500名、職員数は約1,800名、そして学生数は、学部と大学院を合わせると16,000名を超える総合大学です。

本学の教育研究は極めて幅広い分野にまたがっています。人文・人間科学系、社会科学系、自然科学系および生命・医学系の4つの学術系列があります。それぞれの系列に所属する学部・研究科はいずれも優れた特色を持ち、世界的に高い評価を得ています。

キャンパスは主に4つの地区から構成されています。六甲台地区には人文・人間科学系、社会科学系および自然科学系の各部局、楠地区には医学部、医学研究科および医学部附属病院、名谷地区には保健学研究科、そして深江地区には海事科学部・海事科学研究科があります。

2011年には、新キャンパスとしてポートアイランド地区に「統合研究拠点」が設けられました。西隣にスーパーコンピュ-タ「京」がある利点を活かして、連携して最先端の研究を推進しています。

 

二つ目は、歴史と伝統のある総合研究大学であることです。

神戸大学は、1902年(明治35年)に創立されました。開学以来、「学理と実際の調和」という理念を掲げ、普遍的価値を有する「知」を創造するとともに、人間性豊かな指導的人材を養成することを使命としてきました。

本学はこの110年の間に、教育、研究、社会貢献などの分野で数多くの輝かしい成果を創出してきました。その中には、文化勲章やラスカー賞などを受章されました西塚泰美先生や文化功労者の五百旗頭真先生を始め、これまでに本学所属の多数の方々が輝かしい受賞をされておられます。また最近では、本学医学部ご卒業の山中伸弥京都大学教授がノーベル生理学・医学賞を受賞、本学文学部ご卒業の脇田晴子先生が文化勲章、そして工学部ご卒業の佐川真人博士が日本国際賞などを受賞されておられます。

最近のトピックスを紹介します。昨年、文部科学省は日本の大学の世界競争力を強化するために「研究大学強化促進事業」を打ち出しました。神戸大学は研究力を高く評価されて“総合研究大学”に指定されました。この申請に当たって神戸大学は、文系・理系を融合した「文理融合型総合研究大学」というコンセプトで臨み、これまでの教育研究分野における“強み”を一層強化するのが狙いでした。この構想の中軸は、自然科学系、社会科学系の分野横断組織と、全学の文系・理系の分野横断組織です。自然科学系では、5つの部局で構成する「自然科学系先端融合研究環」というユニークな教育研究組織を設けています。ここでは、学際的視点からの高度な教育を受けることができます。限定された専門分野だけでなく、複数の分野にまたがる幅広い教育を受けられるのです。

社会科学系5部局の総合性を発揮する「社会科学系教育研究府」では、グローバルな視野を持つ世界的なリーダーの育成を図っています。さらに、全学的な分野横断組織として「統合研究拠点」を設置し文理融合型の研究組織となっています。この3つの組織が有機的に連携することで、文系・理系の従来の枠組みを越えた新たな教育・研究が進められているのです。

この構想は、次世代を育てる研究力強化ビジョンで、目指すのは、キラリと光る「世界最高水準の総合研究大学」です。

   

三つ目は、国際性豊かで変化への対応に優れた大学であることです。

神戸大学は世界に開かれた港町神戸に位置するため、創立当初から国際性を意識しての教育、研究を進めて現在に至っています。
今、我々を取り巻く世界は目まぐるしく変化しています。これに対応するには本学の「研究力」と「教育力」を飛躍的に強化、向上させる改革が必須です。神戸大学は、未来に向けて大きく舵を切ろうとしているのです。

ここでは「教育力」向上についてお話しします。教育力向上はグローバル社会に適応できる人材を如何に育成できるかにかかっています。皆さんを“グローバル人材”として世に送り出すことが最重要課題です。神戸大学は、語学力・コミュニケーション能力を身につけ、異文化を深く理解する一方で日本人としてのアイデンティティを確立した人材を育てていきます。さらに「課題発見型のリーダーシップ」を発揮できるかも重要なポイントになります。

本学は、グローバル化のために様々な手を打ってきました。一つは、個々の教員のグローバル化です。毎年15~20名の若手教員を海外に派遣しています。海外で研究活動をすることで、研究能力が向上するだけでなく、現地での慣習に触れることで異文化理解が深まり、人的ネットワークも形成できます。派遣教員は世界の舞台で仕事ができたという自信をつけて帰国します。この教員の体験が、学生達が学ぶ意欲や広い世界に打って出る意欲を強くサポートします。

二つ目は、グローバル教育プログラムの充実です。現在でも、文系・理系のほとんどの学部や大学院研究科でグローバル教育プログラムを開設するとともに海外への派遣を進め、留学生受け入れプログラムを発展させています。

また、神戸大学は皆さんが世界に出て行く足場も作っています。ヨーロッパではベルギーのブリュッセルに、アジアには中国の北京に海外事務所を設けています。現在はアメリカの事務所設置も検討しています。海外の11カ国に設立された海外同窓会を含め、何より、皆さんが国際的な交流を図るのに必要な人的ネットワークが多数存在しているのです。

さて、本学の特徴や魅力をいくつか紹介しましたが、本学には、皆さんに自分で自分を磨く“場”や“機会”を提供する教育環境が充分整備されています。我々の周りには、未知の世界が広がっています。この恵まれた環境を活かして、自分のやりたい「夢を見つける」、そして、未踏峰の山に挑戦する登山家のように思い切って何事にも「挑戦」することを常に心がけてください。

世界の人々と知り合い、その文化を深く理解し、そして一緒に仕事をする。皆さんがそのようなグローバルな人材に成長することを祈念して、私の式辞とさせていただきます。

平成26年4月8日 神戸大学長 福田 秀樹