【式辞】平成27年度 入学式 式辞

新入生の皆さん神戸大学入学おめでとうございます。ご列席いただいております保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。神戸大学の全構成員を代表して、入学のお祝いを申し上げます。

この春、神戸大学には学部に2,645名、大学院博士課程の前期課程に1,283名、博士後期課程に327名、法科大学院と経営学専門職学位課程に151名、編入学生として133名の皆さんが入学しました。神戸大学長として多くの新入生を迎えることを嬉しく思っています。

皆さんがこれから学ばれる神戸大学は、誇るべき数多くの特徴や魅力を有しています。その、いくつかを紹介します。

 

一つ目は、全国有数の規模を誇る大学であるという点です。

神戸大学は、11の学部と14の大学院、法学と経営学の二つの専門職大学院、経済経営研究所、自然科学系先端融合研究環、社会科学系教育研究府、統合研究拠点、日欧連携教育府、医学部附属病院、さらに多くの教育研究に携わるセンター群と複数の図書館で構成された総合大学です。教員数約1,600名、職員数約1,800名、そして学生数は、学部と大学院を合わせると16,000名を超える総合大学です。

本学の教育研究は極めて幅広い分野にまたがっています。人文・人間科学系、社会科学系、自然科学系および生命・医学系の4つの学術系列があります。それぞれの系列に所属する学部・研究科はいずれも優れた特色を持ち、世界的に高い評価を得ています。

キャンパスは主に4つの地区から構成されています。六甲台地区には人文・人間科学系、社会科学系および自然科学系の各部局、楠地区には医学部、医学研究科および医学部附属病院、名谷地区には保健学研究科、そして深江地区には海事科学部・海事科学研究科があります。

2011年には、新キャンパスとしてポートアイランド地区に「統合研究拠点」が設けられました。西隣にスーパーコンピュ-タ「京」がある利点を活かして、連携して最先端の研究を推進しています。また、神戸大学の先端研究をリードする研究拠点として、今年の3月には統合研究拠点の隣にアネックス棟を整備したところです。

 

二つ目は、歴史と伝統のある総合研究大学であることです。

神戸大学は、1902年(明治35年)に創立されました。開学以来、「学理と実際の調和」という理念を掲げ、普遍的価値を有する「知」を創造するとともに、人間性豊かな指導的人材を養成することを使命としてきました。

本学はこの110余年の間に、教育、研究、社会貢献などの分野で数多くの輝かしい成果を創出してきました。その中には、文化勲章やラスカー賞などを受章されました西塚泰美先生や文化功労者の五百旗頭真先生を始め、これまでに本学所属の多数の方々が輝かしい受賞をされておられます。また最近では、本学医学部ご卒業の山中伸弥京都大学教授がノーベル生理学・医学賞を受賞、本学文学部ご卒業の脇田晴子(わきた はるこ)先生が文化勲章、そして工学部ご卒業の佐川真人(さがわ まさと)博士が日本国際賞などを受賞されておられます。

その他にも大学関係者の受賞や国内外からの表敬訪問者などの最新情報は、大学のホームページに掲載しておりますので、是非ご覧ください。また、「“文理融合”イノベーションで世界と競う」という題名で神戸大学の取組みが1冊の本になり、今年3月から販売されています。この書籍は、「大学力シリーズ/日本の未来は大学の進化にかかっている!」というシリーズ企画のトップバッターとして神戸大学が選ばれました。
山中教授と福田前学長の特別対談のほか、未来戦略、大学力、国際化、卒業生、歴史物語などの情報が満載です。よろしければ一読ください。

   

三つ目は、国際性豊かで変化への対応に優れた大学であることです。

神戸大学は世界に開かれた港町神戸に位置するため、創立当初から国際性を意識しての教育、研究を進めて現在に至っています。

今、我々を取り巻く世界は目まぐるしく変化しています。これに対応するには本学の「研究力」と「教育力」を飛躍的に強化し、向上させる改革が必須です。
この4月から、本学では、新たなビジョン「先端研究・文理融合研究で輝く卓越研究大学へ」を掲げ、様々な連携・融合の力により世界最高水準の教育研究を行っていこうとしております。
具体的には、社会科学分野・理系分野双方に強みを有する伝統と特色を生かし、文系・理系という枠にとらわれない先端研究を推進し、他大学・研究機関とも連携して、新たな学術領域を開拓し、展開します。同時に、学部と大学院のつながりを強化し、先端研究の臨場感のなかで学生の皆さんが創造性と学識を深めることを重視します。
また、海外中核大学と共同研究や連携教育の重層的な交流を図り、世界各地から優秀な人材が集まり、世界へ飛び出していくハブ・キャンパスとしての機能を飛躍的に高めていきます。
これらの教育研究を社会と協働して推進し、先端的技術の開発と、研究成果を社会問題解決のために応用、展開する社会実装を通じて人類に貢献するとともに、地球的諸課題を解決するために先導的役割を担うことのできる人材を輩出します。

ここでは「教育力」向上についてお話しします。教育力向上はグローバル社会に適応できる人材を如何に育成できるかにかかっています。皆さんを“グローバル人材”として世に送り出すことが最重要課題です。神戸大学は、語学力・コミュニケーション能力を身につけ、異文化を深く理解する一方で日本人としてのアイデンティティを確立した人材を育てていきます。さらに「課題発見型のリーダーシップ」を発揮できるかも重要なポイントになります。

本学は、グローバル化のために様々な手を打ってきました。一つは、個々の教員のグローバル化です。毎年15~20名の若手教員を海外に長期派遣しています。海外で研究活動をすることで、研究能力が向上するだけでなく、現地での慣習に触れることで異文化理解が深まり、人的ネットワークも形成できます。派遣教員は世界の舞台で仕事ができたという自信をつけて帰国します。この教員の体験が、学生達が学ぶ意欲や広い世界に打って出る意欲を強くサポートします。

グローバル教育プログラムの充実にも取り組んでおり、文系・理系のほとんどの学部や大学院研究科でグローバル教育プログラムを開設するとともに神戸大学生の海外への派遣を進め、また留学生受け入れプログラムも発展させています。

また、神戸大学は皆さんが世界に出て行く足場も作っています。ヨーロッパではベルギーのブリュッセルに、アジアには中国の北京に海外事務所を設けています。現在はアメリカの事務所設置も検討しています。海外の12カ国に設立された海外同窓会を含め、何より、皆さんが国際的な交流を図るのに必要な人的ネットワークが多数存在しているのです。

最後に新入生の皆さんに私からの3つのメッセージを贈ります。一つは「学ぶ」、当たり前のことですが大学ではしっかり勉学に励んでください。次は「友人をつくる」、生涯の友を大学でたくさん作ってください。最後に「世界に目を向ける」、これまでお話ししたとおり、本学は世界に向けて視野を広げる様々な機会を準備しています。大いに活用し、視野を広げてください。

今日から、いろんな場で新たな出会いがあると思いますが、失敗を恐れず、より積極的に出会いを求め、その経験から人間として成長していただくことを祈念して、私の式辞とさせていただきます。

平成27年4月7日 神戸大学長 武田 廣