【挨拶】平成24年 学長年頭挨拶 飛躍の年を迎えて

平成24年1月4日
神戸大学長 福田 秀樹

神戸大学長 福田 秀樹

新年明けましておめでとうございます。皆様におかれましては、新たな年を迎えられ、良いお正月を過ごされたことと存じます。

ご存じのとおり、現在我が国は、極めて深刻な社会経済状況下に置かれており、加えて、東北地方太平洋沖地震による未曾有の複合的な大災害を経験し、その影響は計り知れない程の状況になっております。このような中で、神戸大学では「神戸大学ビジョン2015」に掲げた「グローバル・エクセレンス」の実現を目指すため、数々の活動を行ってきました。

ここで、神戸大学における昨年の主な活動や出来事を振り返ってみたいと思います。

まず、インフラに関する施設整備面では、保育所を含む医学部会館の建設、国維寮の改修、鶴甲第2団地の体育館及び中等教育学校校舎の改修が完工しました。また、附属病院の低侵襲総合診療棟の建設、社会科学系の歴史的建造物保存事業による改修、国際コンベンションホールの建設も順調に進捗しているところであります。

そして、平成23年度3号補正予算で住吉寮の改修、共通教育の総合研究棟の改修、武道場の改修、動物実験室の改修、附属病院の自家発電設備の交付決定があり、実施に向けて進めております。

次に国際化に対する活動については、ヴァンロンプイEU大統領、清水文部科学事務次官、小田野EU特命全権大使 (当時) などをお招きして開催しましたブリュッセルオフィス・オープニング記念シンポジウム、また、ブリュッセル及び北京において、それぞれ「巨大災害に強い安全社会の構築に向けて」及び「現代日本サブカルチャー」に関するシンポジウムを開催しました。さらに、英国オックスフォード大学と大学間学術交流協定を締結し、本理念を実現させるためにオックスフォード大学ハートフォードカレッジとの学生交流に関する覚書も締結いたしました。

また、10月には京都にて開催された第7回日中学長会議において議長を務め、「大学の国際化について」の取りまとめを行いました。

一方、海外同窓会ネットワーク事業の展開策として、バンコク及びソウルで「グローバルリンク・フォーラム」を開催し、欧州及びミャンマーにて本学における9番目及び10番目の海外同窓会が発足いたしました。その他、平成21年度よりスタートしました若手教員の長期海外派遣は、昨年には合計44名に達し、24年度にはさらに16名の教員を派遣する予定です。

国際的拠点化の事業としては、ポートアイランドに8つの先端融合研究プロジェクトが入居する「統合研究拠点」を開設しました。また、文部科学省「大学の世界展開力強化事業-東アジアにおけるリスク・マネジメント専門家養成プログラム-」も採択されました。

その他、本学の男女共同参画の推進に大きな貢献をいただいております相馬芳枝・神戸大学特別顧問が「世界化学年」に制定された「女性化学賞」を、また、医学研究科の清野進教授が紫綬褒章を受章されるという嬉しいニュースもありました。

ところで、東日本大震災からの復興に対する取り組みについて、少し触れさせていただきます。本学は、阪神・淡路大震災で大きな被害を受けており、その経験を生かし、神戸大学として復興に向けた提言をまとめ「東日本大震災復興構想会議」の五百旗頭真議長にお渡ししました。さらに、同議長を始め、東北大学井上明久総長、関西学院大学室崎益輝教授のご参加を得て、公開シンポジウムを開催しました。このような取り組みを契機とし、神戸大学と東北大学の被災した大学同士が協力して東日本大震災の被災地域の再生や、人類に共通する災害復興問題への貢献を行うために、災害科学分野において両大学による包括的な連携協定を締結いたしました。本学は、今後、このような分野においても役割を果たすべく努力してゆく所存です。

以上述べましたように、昨年、神戸大学においては、複雑で困難な社会状況下の中で、皆様と一緒になって世界トップクラスの教育研究機関となるよう努力を積み重ねてまいりました。しかしながら、「グローバル・エクセレンス」の実現を達成してゆくには、まだまだ多くの高いハードルを越えてゆかねばなりません。

ところで、本年は、1902年神戸高等商業学校の設立から丁度110年目の節目の年にあたりますので、本年を「創立110周年メモリアルイヤー」とし、5月15日には記念式典を挙行する予定です。

これを契機に、今後も、神戸大学が大きく飛躍し発展してゆくために尽力する所存です。新年を迎えるにあたって、引き続き皆様のご協力をお願いして挨拶とさせていただきます。