次世代シークエンサーを用いた孤発性の神経難病の発症機構の解明に関する研究

研究担当者所属・職・氏名
医学研究科・教授・戸田 達史
概要

「大部分は孤発性だが一部家族性・メンデル遺伝をとるパーキンソン病 (PD)、筋萎縮性側索硬化症 (ALS)、進行性核上性麻痺 (PSP)、大脳皮質基底核変性症 (CBD) といった代表的な神経難病」を対象にする。PDはドパミンニューロンの変性により振戦、筋固縮など運動障害を主症状とし、PSP、CBDとパーキンソン症候群を形成する。ALSは進行性の筋萎縮と筋力低下をきたし平均3-4年で死亡に至る過酷な神経難病である。これら神経難病では、根治療法や予防法は一つとして無く、その多くは病因も不明であり、発症機序は何れも未解明である。またこれらの遺伝背景について、SNPだけでは遺伝率を説明できず、次世代シークエンサーを用いて寄与度の高いrare variantsを見いだすことが重要である。また単一遺伝性患者においても、まだ約半数は原因遺伝子は発見されていない。本研究では次世代シークエンサーを世界に先駆け孤発性神経難病に応用し、1) PDおよびALS血族婚患者および多発家系の患者にエクソームシークエンスを行い変異やRare variantを発見、2) 発見される遺伝子について孤発性発症の検体をリシークエンス、 3) 孤発性パーキンソン病、孤発性ALSを数百例全エクソームシークエンス解析して孤発性リスクを同定、4) PSP、CBDを含めたタウオパチー収集解析、5) 前向き臨床情報との連関を解析し、診断および予後予測マーカー治療法開発へと展開、を行う。申請者は福山型筋ジストロフィー原因遺伝子フクチンを同定 (Nature 1998)、またゲノムワイド関連解析を行い、4つのPD病感受性遺伝子を明らかにし (Nat Genet 2009)、rare variantとしてゴーシェ遺伝子変異が確実なPDリスクであることを明らかにした。研究分担者は、パーキン遺伝子の発見、家族性ALSの遺伝子解析・世界有数の家系を集積、球脊髄性筋萎縮症の病態解析・治療法開発、タウオパチーの疫学・生体試料収集研究など、各疾患において日本を代表する研究者であり、強力なチームを形成している。本研究により我が国から根本的なパーキンソン病薬またはALS薬のシーズが開発されれば、全世界にインパクトをあたえることができると考える。

期間 (年度)
平成23~25年度